生オルゴール

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オルゴールは好きだけど、それを聴きにどこかに出かけていくというほどでもなかった。
もちろん「マニア」では全く無いし、基本的な知識もたぶん殆どなかった。

先日、朝の情報番組で「オートマタ」について見て、その特別展が開かれていると知った。
それも比較的近所の、これまたよく散歩で歩いていたところに。

「オルゴールの小さな博物館」という名の、小さな博物館。
今でこそ各地、観光地などにたくさんあるけど、ここが日本で最初にできたオルゴール博物館だという。
小さな、は嘘じゃないけど、中にあるモノとそこで出会えるものはとても「小さい」どころの騒ぎではなかった!
私はそれほどでもなかったが、オルゴールと人形の両方が好きな母が喜ぶかなと思い、予約制のその特別展に母を誘って行ってきた。

オートマタ、ってなんだ?
初めてきいたものだから、番組を見てからちょっと調べてみた。からくり人形、そしてオルゴールと深い関わりがある。
今回のこの特別展は、この博物館所蔵の「オートマタ」約25体を実際に動かしてもらえて鑑賞できるというもの。

私たちが伺った時間は他にお客さんがいなかったので、事実上貸し切り状態。
専門家の係の方が解説しながら、ひとつひとつのオートマタを動かし鳴らしてくれる。質問も出来る。とてもここで全部は書ききれないけれど、お茶を飲む人形、タバコをふかし実際に煙を吐く人形、曲芸をする人形、絵を書く人形・・・とにかく、よくこんなアイデアが、と思うようなありとあらゆる設定のお人形たち。じつに深い音の美しいオルゴールの音色とともに動く人形たちの仕草には、ただ何かの動作をするというだけでなく、ひとつひとつに何かしらの感情を持ったストーリーがあるのに感激した。
これは、想像していたような「ただの動く人形」ではない。
そこに込められた作り手の思い、何故こんなものが作られたのか、なぜこんなふうに変化していったのか・・・歴史的な背景、宝飾、ファッション、音楽、教育、政治などのすべての「流行」が反映している作品たち。

言うまでもなく音楽史とも関わりが深い。
モーツァルトのように実際に機会仕掛けのための音楽を書いた作曲家はたくさんいたし、人形やオルゴールそしてオートマタに大きな影響を受けた作曲家も多い。
モティーフしてはピカソやストラヴィンスキーなどがすぐ思い浮かぶ。
何よりも、シリンダーやディスクオルゴール、自動ピアノなどに選曲されているレパートリーを見るだけで、当時の人気音楽がすぐわかる。今日目にしたシリンダーには、サリバンの「ミカド」など今にしてみればちょっとマニアックな感じの曲も含まれていた。

ディスク・オルゴール「ポリフォン」は曲のリクエストもできたり、実際に1ペニーコインを入れさせてもらって動かしたり。ストリートオルガンでは、アムステルダムの街角でよく見かけたような辻音楽家よろしく帽子をかぶって(貸してくれる!)手回し体験ができたり。これは意外と力も要るし、テンポを一定にするように回すのが難しい。雑踏の中でも聞こえるように出来ているから、静かな博物館の中では結構な大音量だ。
鳥の声が聞ける鳥の置物や、この世のものとは思えないほど美しいさえずりが聴ける小さな仕掛けの箱など、ひとつひとつが目を見張るものばかり。
当たり前のことだが、オルゴールもCDやテレビなんかで聴くのと、ライブとではわけがちがう。シリンダーやディスクのライブの衝撃ったらスゴイものだった。
特に天井の高いこの博物館の展示室で聴くと圧巻。
そして体験できる作品も、全てがオリジナルというのが貴重。

最後に「体験ベンチ」というディスクオルゴールに木製のベンチが合体していてその「振動」を体感できるという、音響の専門家とこの博物館が作ったという面白い装置のコーナーがある。そのベンチの下は空洞になっていてそこに潜り込むこともできると聞き、早速まよわず(笑)匍匐前進で突入。暗い箱の中に全身を入れて寝転がって、オルゴールを作動してもらう。全身に音が染み込んで、不思議な感覚。あれって血行も良くなるんじゃないかな。

オートマタ、いくつかのシリンダー、ディスク、ストリートオルガン、機会仕掛けの置物などを見た後、振動体験をし、階を移動して今度は自動演奏のピアノやディスクオルゴールを、コーヒーや紅茶をいただきながら楽しんで終了となる。
今日の自動ピアノ演奏は、レオンカヴァッロの「道化師」間奏曲で、この晴れた気持ちのいい秋の日にはいささか憂鬱な空気だったが(苦笑)オリジナルのピアノの響きはとてもリアルで素晴らしかった。2つの自動ピアノのうち、ひとつはスタインウェイだった。

今回のこのオートマタ展は、いくつかある見学コースのうち「博物館コース」という予約制のものだが約1時間10分ほどかかる。予約制で1人2000円。クーポンで好きな絵はがき3枚のプレゼントあり。おまけにお人形の写真の大きなタペストリーまでいただいた。
数々のオルゴールやお人形関係、ここの所蔵楽器の録音がきけるオリジナルのCD等が買えるショップも充実していて、気軽にお土産に買えるものから、「お〜これは桁がひとつ多い・・・んじゃないよね」というスゴイ作品まで、見ているだけでも楽しい。

ところが。
この博物館、来年5月15日には閉館する。
オルゴールの収集家である館長さんが、ご自身がお歳を召したということで、今のうちにこの貴重で膨大な作品たちの行く末を全てきちんと決めておきたい、というご要望から閉館を決められたそうだ。
オルゴール・・・特には興味ないや、とか言ってないでもっと早く来れば良かった。
でもまだ間に合う。
きっとゼッタイにまた来ると思う。

音楽好きの人も、これは絶対に一度見た方がいいですね。
おすすめスポットです。
HPで、各コースの内容や入場料、特別展などの情報が得られます。
今年は最後ということで12月のクリスマス関係の催しは、既にかなりいっぱいだとか。
お早めに!

オルゴールの小さな博物館はこちらをクリック
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by saskia1217 | 2012-09-27 22:18 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)


今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!


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