ポップ

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昨夜のコンサート「テレマンのリコーダー音楽」が無事終了。
暑い中、会場に足を運んでくださったお客様、ありがとうございました。

オペラシティの近江楽堂はものすごく久しぶり。
帰国してすぐのリサイタルはここでやったのだけど、あの時はお客様が120人くらいぎゅうぎゅうに入ってしまって、本番では響きが完全に乾いてちょっと大変だった。聴いてたお客様のほうも、座る場所によって響きや音量の差が激しくて・・・。壁際の席に座ると、音が壁伝いに降りて来てものすごくよく聞こえるとか、聞こえすぎる、とか云々・・・。
昨日も、リハではお風呂場みたいな残響で共演者の音の把握が難しかったところから始まって、客席のイスを並べただけでそれがだいぶ解消し、本番ではちょうどよくお客さんも響きを吸ってくれて、想定内でうまくいってよかったのだけど。
そういえばここはそうだったな〜、と昔を懐かしく思った次第。

しかし、長いこと日本に居てその環境に慣れてしまうと、長い響きのところで弾くのがハンパ無く不安になってくるのはやっぱり本当だな。こわいこわい。
帰国したての頃は「なんでまあ、どこもかしこも息が詰まるほど乾いてるんだ!」ってプンプンしてたのにな(笑)。

それはそうと、テレマンの作品ばかりこんなに集中して一度にやることはリコーダーの演奏会以外ではあまりないもので、お陰でこの音楽家の徹底した「人に好まれる術」を再認識できたいい機会だった。
いつの世でも、どこの国でも、ポップってすごい!
昨日のMCで「チェンバロのソロ曲を選ぶときに、テレマンのチェンバロ作品を弾こうと思ったらあまりに面白くなくて、結局ヘンデルにしました」みたいなことを言っちゃって、後で「あ〜あれはテレマン(&テレマン好き)に失礼だったな〜」とちょっぴり後悔したんだけど(苦笑)、真意はこうだったのでした・・
つまり、テレマンはやっぱり旋律の人、なんだ。彼のチェンバロ曲の殆ど全ては(私が知る限り)右手、左手2声のみで書かれている。和音やそれをあらわす数字などは付いていない。おそらく「適宜付けてね」的なことだと思うのだけど、それにしてもこれはないだろ〜というくらい和声に関してはな〜んの情報もない=作曲者にとってはさして言うほどのことでもない、という感じ。
ちなみに昨日のプログラムで弾いたリコーダーとオブリガートチェンバロの、そのソロパートも全て2声のみ、そして鍵盤的には非常に弾きにくい音型が結構たくさんあるのだ。もしヴァイオリン2本とかリコーダー2本なら難なく、美しく演奏できるのに・・・なにこの3度重複のしかも3度飛びの16分音符のパレードは、って(苦笑)。
それにひきかえ、音がたくさん書いてあって一見ごちゃっと見えるヘンデルやバッハのほうが、鍵盤では楽に弾ける。手の形や手の動きに自然に沿っている。
ま、それって普通によくあることなんだけどね。ショパンのオーケストレーションとかさ(苦笑)、逆の意味で・・・。
特にある楽器の名手だったり、同僚や友人に名手がいたりって作曲家はその楽器の書法にはたしかに長けてる。
テレマンが鍵盤が下手だったとは思わないけどね。
テレマンとヘンデルのハンパないポップさを実感するにつけ、やっぱりバッハって・・・ん〜、本人も周りも大変だったろうな〜、って(苦笑)。
いろんなことを考えたコンサート。

そうそう、ここに設置されて以来初めて弾いた久保田工房の楽器もとても響く楽器で、非常に弾き易くて気持ちよかった。

この演奏会を企画された田中せい子さんとダニエレ・ブラジェッティさん、お手伝いいただいた全ての方、そしてお客様に感謝。
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by saskia1217 | 2012-08-22 15:55 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)