古墳、古墳、ときどき神社

晴れた空の下、歩いて歩いて歩いた。

大阪3日目の午後になってようやく晴れた日曜、堺の百舌鳥古墳群へ。
南海線に乗って、まず堺東にある「堺市役所」の22階展望台を目指す。
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そう、わかってるんだ。
古墳て、傍からみてもよ~くわかんないんだよね(苦笑)。
ただただ緑のこんもりした丘みたいなのがデーンと横たわってて、時々お堀があったりするけど、中には入れないからただ周りをぐるっと歩いて終わりじゃん、て。
で、このあたりの古墳群を一望できるこの役所の最上階へ。
360度全面ガラス張りで、まあよく見えること。
観光用パンフレットもたくさん置いてあるし、ボランティアの方が声をかけてきてくれて堺の歴史なんかの話をしてくれる。係のおばちゃんは堺港の歴史から明治時代の様子などをガンガン喋ってくれた。すごい迫力(苦笑)。堺への愛を感じた。
でもまあ、今回は観光目的で来たわけじゃないので、街の歴史とかよりも古墳の歴史や出土品なんかが訊きたかったんだ・・・けどね。

見える見える。よ~く見える。
旧・仁徳天皇陵(大仙陵古墳)。
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私はこれを空から見たことはないのだけど、飛行機から見ると綺麗らしい。
これは市役所から一番近い反正天皇陵古墳。
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旧堺港、海の方角。
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古墳巡りの地図もゲット、再び地上に降りていよいよ歩き出す。
線路を渡り、鈴山古墳の横を通って。
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この時はまだ、こんもりした丘や緑の茂みを見つけるたびに「古墳、古墳!」と感動していちいち写真を撮りまくっていたのだが・・・(笑)。

反正天皇陵へ辿り着く。
閑静な住宅地の中にひっそりと姿をあらわす古墳。こんなところに住んでいたらどんな気分だろう?
ここで生まれた人にとっては、ちっとも珍しくないには違いないけど。
鳥の鳴く声くらいしか聴こえない、炎天下の街。
人が立ち入れないので鬱蒼とした緑が積もった古墳をじっと見つめていると、その奥の奥に心だけが分け入っていく。吸い込まれそうになる。
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ここから、隣接する方違神社を目指す。
文字通り立派なけやきが青々と続く「けやき通り」に出ると、歩道に張り出した1本の大木が見えてきた。
「方違神社のくろがねもちの木」とある。そうか、ここも境内だったんだな。
支えられながらも元気に生きている歴史の樹。
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家と家のあいだを縫って歩いてゆくと、突然鳥居が見えてきた。
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方違神社は、河内、和泉、摂津三国の境にあることで「方位のない清い地」とされ、方位よけ、転居や旅行の安全祈願に訪れる人が多い。この日も週末だったせいかマイカーでお参りするたくさんの家族連れで、それほど大きくない境内はかなり賑わっていた。
裏に回ると、おそらく近年塗り替えられたばかりであろう美しい本殿の姿が見える。
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けやき通りに戻りさらに歩き続けていると、見るからに美味しそうに高く盛られたジェラートを手にしている女性に出会う。あまりに気になってキョロキョロすると、果たしてそのお店はそのすぐ先にあった。
イタリアン・ジェラート「チャオ」 
「リコッタチーズのブルーベリー」と「有機栽培黒糖バナナ、ラズベリー入り」のダブルコーンを食べる。美味しすぎた。今まで食べたことのないジェラート。
堺に行った際には是非。オススメ。
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子どもの頃実家の庭によく咲いてたな〜、なんて久しぶりのネムノキの花なんか眺めながら歩いてると、永山古墳が見えてきた。
小さい古墳だけど緑が綺麗。鷺とか鴨がのんびり遊んでる。
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永山古墳脇にあるちょっと厳めしい神社(お塚っぽい)。大きな鏡に吃驚。夜見たらなんか怖そうだ。
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ここまで来るともう左手はずうっと旧・仁徳天皇陵の鬱蒼とした緑が延々と続く。ここはお堀の外側がずっと遊歩道になっていて、皆のんびりと日曜日を楽しんでいる。子供連れの散歩、ジョギングやウォーキングをする人、ゲートボール場で楽しむお年寄りたち、万葉碑の前でオカリナを練習する人(!)・・・
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途中、丸保山古墳、樋の谷古墳、銅亀山古墳など小さい古墳を通り過ぎながら通りへ出ると、角に古いお寺。
日蓮宗・朝日寺。
ひっそりと人影もない。車がびゅんびゅん往きかう大きな道に面しているとは思えない。
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角を左折して大通りをしばらくゆくと、やっとのことで仁徳陵の正面遥拝所が見えてくる。
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さすがにここは数人(苦笑)の観光客が・・・。
ボランティアのおじさん2人が近寄ってきていろいろ説明してくれる。
「2重になってるお堀の内側のほうでは水が湧いてる」とか「御陵の中は気温が少し低い」とか。
世界遺産に認定されるには視察団を中に入れなきゃなるまいが、宮内庁は今まで通りここを完全に立ち入り禁止にしているから・・・などなど難しい問題もあるようだね。
おじさん、うんうん、ここを世界遺産にしたいっていう熱い気持ちは伝わった・・・けど、歴史とか出土品とかのことも知りたい(苦笑)。
・・・・
ってことで涼みがてら、すぐ前に広がる大仙公園内にある「堺市博物館」へ。
ワンフロアで展示数はそれほど多くなく、疲れないで見られる量。古墳の頃から秀吉、自由な貿易で栄えてきたこの港町の希有な歴史が展示されていた。「堺」といえば「商人」、わたしにとっては今まで見たNHK大河ドラマの中で一番印象的で、感動した思い出のある「黄金の日日」のイメージが強い。そんなことを思い出しながら、数々の展示品をひとつひとつ見ていった。
大きな石棺や埴輪のレプリカ、縄文弥生あたりの土器、鉄器、そしてこのあたりの神社のお祭りで仕様する山車や用具の実物。修学旅行で見た飛鳥大仏にどこか似ている日本最古・最大の白檀仏「観音菩薩立像」も恭しくガラスケースの中にスクッと立っていた。
堺の名品「包丁」はもともと堺へ入ってきて大ヒットしてた「タバコ」の葉を刻む必要から、発達発展して名産になったらしい。
博物館売店で古墳の絵はがきを買い、再び灼熱のなかへ。
思わず爆笑。
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つまりごはんの形でしょ?(笑)
これなら家でできるやん。

いたすけ古墳を通りかかる。この辺になってくるともう「あ、古墳ね」とかる〜く受け流す(苦笑)。ちょっとこんもり緑は古墳以外の何ものでもない。とにかく多すぎるわ。
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民家の庭先か駐車場的なスペースに小さな小さな堪輿神社。
そしてその塀の向こう側には、信じられないくらい素晴らしい光景が。
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御廟山古墳は、この日まわったなかで一番好きだった古墳。
すこし大きめのこの古墳、お堀の水も綺麗で、何よりも樹木の奥のほうから流れてくる不思議な空気にすっかりヤラレてしまった。
古墳を取り囲む遊歩道をてくてく歩く。
周りはごく普通の住宅が立ち並ぶ。目の前にこの古墳があるなんて・・・。
周りに住んでいる人たちに大事にお祀りされている永尾大神。
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惹き付けられる古墳に後ろ髪を引かれつつ先へ歩みを進める。
すぐ近くにある「高林家住宅」は江戸時代の近畿地方の典型的な庄屋屋敷。中には母屋、土蔵、不動堂やお稲荷さんもあるらしい。
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左折すると真っ正面に鳥居が見えてきた。
やっと着いた、百舌鳥八幡宮。
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有名な楠の大木。見上げると後ろに倒れそうになる。今ちょうど薄い緑が美しい季節。
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ご本殿は桧皮ぶき。鰹木も千木も美しい。
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鳥居をくぐって下へ行ってみると、池がある。
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水神様と弁天様。
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どこのお社も、どんなに小さな摂社末社でも、ひとつひとつ回りながら丁寧に手を合わせている地元の方を目にすることが多い。ここでもそうだった。
何百年も、こうやって周りに住む人たちの力になってきたのだなあ、ってまたあらためて思う。

駅へ向かう道を、信号待ちしていたおじさんに訊く。
丁寧に丁寧に教えてくれる。
地下鉄御堂筋線の中百舌鳥駅を目指す途中、またもや小高い丘つまり古墳を発見。
定の山古墳。
ここは登ってもいい感じだったので、嬉しくなっててっぺんまで行ってみた。
向こうに見えるのはニサンザイ古墳。古墳から古墳を見下ろす快感!
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無事駅に辿り着き、ヘトヘトドロドロになって、なんばへ戻ろうと切符の値段を書いた案内板をボーッと見ていたら、地元の方らしき赤ちゃん連れの女性が「あの・・・これよかったらどうぞ」と差し出してきたのは地下鉄+トラム+バスの一日パス。
なんて親切なんだろ。けっこう日常茶飯事なんだろうなあ。東京だったらきっと、自分が使い終わったらそのままにしておいて、わざわざ人に声をかけたりしないだろうな。

都会なのにやっぱり全然違う。
メンタリティーが違うのはわかってたつもりだったけど、あんまり細かいことでイライラしない感じがする。おおらかというか。そしてお金にはたしかにキッチリしてるけど、その分自分以外の人にも心遣い、気遣いがある。
そんな・・・3日じゃわかんないけど(苦笑)。

大阪から帰ってしばらくなおらないもの。
ほのかなエセ関西弁(イントネーション)、そしてボーッとエスカレーターの右側に立ってる自分。
着いた日は左側に立ってて怒られそうだったのに。
(でも新大阪駅の新幹線ホームから降りるエスカレーターは左に立つという関東式だったのが何とも不思議。なんだ、下りホームはまだ関東圏に入るのか・・・笑)。
たった3日間でこれだけ染まっちゃう自分、1ヶ月もいたら少なくとも見た目や動きなんか、大阪人に変身してしまいそうな気がする。

大阪、まだまだ見たいところはあった。
(道頓堀のグリコとか行かなきゃ)
ま、今回は観光目当てではなかったから、このくらいでもう既に十分だったかな。
次の機会が、きっと絶対にまたやってくるような気がしている・・・。
待ってろ、大阪!
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by saskia1217 | 2012-07-12 02:56 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!


by saskia1217