あてなき散歩、仙台の午後

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日曜、仙台に着いたのはお昼頃。
せっかく来たのだから、夕方のコンサートまでの時間、某かの神社を訪ねようと思っていた。
前回来たときは大崎八幡宮にいってとっても素晴らしい時間を過ごしたのだが、そこ以外となると結構迷った。
ちょっと調べると、行ってみたいと思う神社はいずれも駅周辺にはなく山の中、もしくは結構遠いところが多い。本格的な観光をするつもりはないし、スタンディングのライブ前に体力消耗したくない(笑)。
北山の寺社巡りはちょうど紫陽花や菖蒲で見頃らしかったが、日曜で人も多いのではと、結局もっと近間の仙台東照宮に行ってみた。

バスじゃなく、あえて「仙山線」に一駅乗ってみた。
単線、しかも1時間に2本しかなくてちょっと吃驚。下車したときに帰りの電車の時間を調べておく。
「東照宮駅」を降りて歩き出すと、もう見えてくる鳥居。伊達忠宗が奉納したもので国の重要文化財。
月1回の骨董市にも運良く出会えた。
骨董、というより古道具のような、褞袍とか古い徳利や生活食器、明治時代の勘定書やハガキ、古銭・・・一軒一軒眺めていると結構面白い。
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鳥居をくぐると長い長い石段がなだらかに続き、その先には同じく重文の「随身門」がそびえている。両側には立派な石灯籠がズラッと並ぶ。この灯籠が素晴らしい。地震対策のために置かれたコーンの色が残念ではあるが。
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門は真下まで行ってみると結構な迫力。
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手水舎は県の有形文化財。
古くて渋いが、水はセンサーで出てくる(!)。
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拝殿もいい色をした古さで、中も風通しの良さそうなシンプルな造り。
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ちょうど修復中だった本殿は全景を見ることが出来なかったが、千木と鰹木がドッシリしつらえられた棟は何とか覗くことができた。
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舞殿も年代を感じさせる。閉まっていて残念。
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だいぶゆっくり見て回って、それでもまだ時間がたっぷりあった。
一瞬北山まで足を伸ばそうかと思ったが、行ったら行ったできっと5〜6箇所、寺社を見なくては気が済まなくなりそう(笑)、時間も中途半端。
いいや、この辺をちょっとぶらぶら歩いてみよう、と地図情報もないまま正真正銘の「ぶらり散歩」。

駅横の踏切を越える手前に、古くて素敵な山門が見えるので入ってみる。
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天台宗・眺海山仙岳院。
東照宮の別当である。つまり建立も同じ頃(1654年あたり)。
門の外から垣間見える庭、深く美しい緑と静謐な空気に、思わず引き寄せられて入ってしまうような素晴らしいお寺。
そんなに広くない境内には複数のお堂やお地蔵様や仏様、いろんな種類の草木が所狭しと並んでいる。
たくさんのお地蔵様の向こうにあるのはログハウス(!)の観音堂。
中には仙台三十三観音11番札所の「小萩観音」。
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こちらは昭和に立てられた「瑠璃堂」。
ご本尊は薬師如来。入り口は開け放たれていて、蠟燭が灯され、奥に仏様の姿が見える。
だ〜れも居ない。訪ねてくる人もない。何の音も聴こえない。
お線香の香りに包まれて、仏様をじっと見入る。
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境内の一番奥には本来の「本堂」。一度焼失した後1766年に再建されたもの。
ご本尊は釈迦三尊像だが、ここは残念ながら閉まっていて拝見できず。
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静けさを満喫した後で山門を出、再び車の往来の多い道を南へと歩いてゆく。
踏切を渡ってすぐ左側に、なにやらこんもりした緑と山門を発見。
これは覗いて行かねば。
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天台宗・延寿院。
さっき訪ねた仙岳院の傍院として1660年に建立。
すごいよ、ここの見事な神仏混合具合は!
感動ものだ。
山門を入り短い参道の途中に、この大きな鳥居。
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すぐ右手には形、枝振り、葉の付き方が素晴らしく美しい、桜とおぼしきご神木。
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境内に入ってゆくと、突然、真っ黒い子猫が左から右へと走り抜けてゆく。
それ以外は人影もなく、ただこの大きな桜の木が風にそよぐ音ばかり。
すぐそこの表通りには車も人も行き交っているのに。
別世界。
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小さな本堂は、古く、時代の香りがする。
ご本尊は浄円房大権現。
浄円房とは、韋駄天のような足を持ち、師が死の床に付いた時に好物の最上の豆腐を求めるとすぐさま最上までの往復を走り抜き、生涯で羽黒山まで238回往復し78歳で入寂したという何やらスゴイ存在。その霊験にあやかって足の病気などを治す力があるとされてるらしく、お参りした人の願掛けだろうか、本堂にはたくさんの草鞋やスニーカーなどの履物が。
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境内にはほかにも、耳の不自由な人や耳の悪い人を治してくれるという延命地蔵も。
お賽銭をあげ、真ん中に小さな穴が空いた直径3センチほどの土器(かわらけ)を地蔵堂の壁につけられた釘に差して願掛けをするようになっている。
薄曇りの影のなか、お堂のなかにあげられた蠟燭の灯りが不思議な空気をつくっている。
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そしてもうひとつ、浄円房が羽黒山から持ち帰ったという「疣神尊」も。
こちらは疣を治してくれるそうで、願掛けのための小石がたくさんあがっていた。
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歩いていると、それなりにいろんな素敵なものに出会う。
下調べもせず地図も持たず、本当にぶらぶらするのもいいなあと思った、仙台、小雨の午後。
今回行かなかった北山あたりは、また次回にとっておこう。
まだ行く所を残しておく、ってことは、次にまたそこを訪れるご縁がある、ということだから。
焦らず、ゆっくりと。
すべては、そう、本当に、人も物も景色も歴史も、すべて「縁」だから。
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by saskia1217 | 2012-06-26 17:34 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)