moonlight magicで眠れない夜〜エレカシ「MASTERPIECE」ツァー in 仙台〜

総合司会、大活躍。
本プロ16曲にアンコールが5曲、約2時間のタイトな音楽の時。
MCも殆どなく、簡単なメンバー紹介が1回と、「仙台〜!」コールが数回。
ずうっと「音楽だけ」がグイグイ進んでいった一夜。

今月いっぱいで営業を終えるZepp仙台の最後を飾るコンサートでもあった。
エレカシのニューアルバム・ツァー第3夜の昨日。
私はここでエレカシしか聴いたことがないけれど、この会場そして仙台の街、駅、新幹線とひっくるめて大事な思い出がたくさんある場所なので、よそ者ながらもちょっと感傷的になる。
夕刻から、半袖では寒いくらい涼しくなってきた仙台駅前は、開場を待つ多くの人の「気」でそこだけちょっと気温が高かった気がしたくらい。
ソールドアウトしていたらしく、通りかかりの人が「チケット売ります、って立ってる人いないかなあ」と言いながら通り過ぎてゆく。

東京で初日を迎えるはずだった今回の全国ツァーがメンバーの体調不良で日程がずれたので、私にとってはお初の「MASTERPIECE」ライブ。
楽しみにしてでかけた。
仙台のお客さんはとても真摯で、真面目で、中身は熱いなあといつも感じるのだが、昨日はやはりフロアで開演を待っている時間の緊張感と集中力の高まりがあって、ただコンサートのかなり後半になってからようやく柔らかくなってきたというか、熱し方がとてもゆっくりだったように思った。
当然ニューアルバムからの曲が中心で、それをライブでは初めて聴くということになるから、どちらかというと聴き入っちゃってすぐには入り込めないのも仕方ないのかもしれない。
本プロラスト5〜6曲あたりから宮本さんもかなり客席を煽っていたみたいに感じた。そうなるとみんなすぐに温度が上がるのだけど。

メンバーが登場するや否や、アルバムの代表曲でもある「大地のシンフォニー」がいきなり始まる。
宮本さんの声がちょっと疲れているようにも感じる。ベテランのプロでもやっぱり移動付きの連チャン本番て体力消耗が非常に著しいと思うなあ。
♪ページェント♪の歌い方がクリアで美しかった。
ギターサポートの、現在The Birthdayの藤井謙二さんの音を初めて聴く。私はギターのことってからっきしわからないのだけど、とっても太くてがっしりした印象だった。藤井さんの音なのか、PAのせいなのか、最初から全体的(特に2本のギターの音)なサウンドがちょっと固めで乾いていて、音量は結構大きいんだけど全体の響きがまとまりにくいというか、割と空洞感があるというか、それぞれがひとつに溶け込まない感じがした。あるいはそういう意図での設定だったのかもしれないし、自分が居た位置のせいかもしれない(前後左右ほぼ中央にいたのだけど)。
よく言えばコンサート終了までずっと「骨太」で荒削りな音のイメージだった。キーボードがなかったことも大きかったのかな。
それにしても、藤井さんの緊張感がヒシヒシと伝わってきたステージでもあった。

長めのイントロがだんだん整っていくうちに、リズムやハーモニーの目鼻立ちがジワジワ出来てきて、聞き覚えのある大好きなあの曲になだれ込んでいった2曲目「moonlight magic」。
嬉しかった。
たしかに、キーボードがなく藤井さんのガッツリした音が入ったこの日の「moonlight magic」は、この曲にずっと抱いてきた透明なイメージが消えて、もっと現実感のある生身の曲に変身していた。
それでも好きな名曲。
・・・と、その流れで「おはよう こんにちは」に行くとは!
このあたりだったかなあ、早くも宮本さんが成ちゃんの帽子をガバッと取っちゃってたのは。
「東京からまんまで宇宙」はフェスでも聴いてたけど、昨日はそんなにアップテンポではなくしっかりめな演奏。

そうそう、昨日はずうっと「しっかりめ」だった。最初から最後までずうっと、どの曲もどの曲も、バラードも弾き語りもガリガリロックも、宮本さんすごく丁寧に、自分にもお客さんにも噛んで含めるように大事に大事に歌ってた。
気を緩めることもなく、緊張感がずうっとあって、まっすぐ投げかけられる音楽。真剣、真面目が1本貫いてた。具体的な「どこか」とか「自分」に向かってというより、空(くう)のどこか一点に向かって捧げられていたような。

骨太な「まんま」が終わると、美しい「約束」が続く。
今回のアルバムは重ね録りのコーラスが結構多いから、ライブでどうやるのかな〜って興味津々だったのだけど、これもところどころコーラスを抜いて歌われてて、こちらはどうしても心の中で自動的にコーラスを重ねながら聴いてしまう。
クッキリと丁寧な♪ベイビー♪の連呼。

「ココロをノックしてくれ」のイントロはほぼ音源に近く、底にあるリズムのワクワク感が嬉しい。サビでお客さんが突き上げる拳が、本当にノックしているように見えて楽しかった。
そして、ライブでどうなるんだろう、と楽しみにしていた「Darling」。
ストリングスもピアノもなく、そしてトミがドラムを叩く「Darling」はどんなだろう、って。
甘いのか、甘くなくなるのか?
そうだなあ、けっして「甘く」はなってなかったなあ。でも、しっかりしたビートの落ち着いたテンポの上で、あたたかい「弾き語り風」な、ほんとに語りかけてる歌になってた。CDで聴くより大人っぽい感じ。甘いヴァージョンもすごく好きなんだけどね。

ものすごく速かった「穴があったら入りたい」。速い、速いよ〜!(笑)
長いイントロから、ようやく歌が入ってきて、そしてラストまでがひとつの大きなアッチェレランド。ハモリがなくてちょっと寂しいとこもあったけど、サビの「曜日」を連呼してくところでお客さんの腕がまるで練習したみたいに揃ってたのが、なんかすでに完成された「振り」みたいで面白かった。こういう「振り」的なものが平然と実行されてるのが、最近のエレカシの特徴かもしれない(笑)。
♪御同輩♪も、いつのまにか宮本さん&お客さんのコールアンドレスポンスになっちゃってて、楽しすぎた。

そして、元気になったトミのドラムが冴える「眠れない夜」。
「good morning」の曲って、こうやって挟まるだけで、コンサートの流れがグッと引き締まるのがかっこいい。
♪俺は時々戦う前から勝負を避けて/奴等に勝利をもたらす/チクショウ〜♪のシャウトを2回もやってくれて、興奮したぜ。
考えたらこれ、ライブで聴くの初めてだった。

この日最高!って思った曲のひとつ「ゴクロウサン」。
やっぱりこれもすっごく速かったんだけど、歌も動きも!
でもなんだろう・・・ノリノリでアイロニックなのに上滑りしない諧謔。楽しすぎる。
脈拍数あがってくるのが自分でわかる。
つづく「珍奇男」ではとうとうあの年代物の「男イス」が新調された模様で、宮本さんは「ん・・・イス、たけぇな。」とつぶやき、ちょっと腰掛けにくそうだった。「珍奇男」ですら(!)テンポ遅めで丁寧な印象。
成ちゃんやトミが次々と、スポットを浴びながら順にソロをやっていく。
(ところで当ブログ、時々「検索ワード」のランキングを見るのだけど、先週だったかエレカシの札幌コンサートの直後、「机さん」という検索をかけてここにいらした方が結構な数あったみたいで・・不覚ながらかなり笑っちゃいました。初めて聴いたらタイトル知らないこともありますもんね)

音源にはない素敵なイントロがついてた「ワインディングロード」。
これはちょっとワイルドな響きがしたですね、歌い方もサウンドも。
そして、この日特にスゴくいいと思った「七色の虹の橋」。♪誰の人生だってMasterpieceさ♪の「マスターピース」の声と発音がとっても印象的。透明で、優しい響き。まるで「今夜の一言」みたいな特別感があって吃驚。

「世界伝統のマスター馬鹿」をあらためてじっくり聴きながら「あ〜、これ『おかみさん』に出てくるオジサンがこの曲では主人公になってるんだ」と再認識。「おかみさん」男ヴァージョン。
この曲の次はもう絶対に他の曲は持って来られない、というちっぽけな私の思いが叶った「飛べない俺」への流れ。
宮本さんは淡々とキーボードの前に歩み寄り「弾き語りです」とマイクを引き寄せて座る。
しばしいろんなハーモニーを鳴らしながら、イントロへ。
和音をしっかり掴みつつ力強く歌いながら、Bメロでなぜか中腰・・・座っていられなくなったのかな。
個人的には宮本さんがギター以外の楽器を弾いているのがとっても好きなので、キーボードを初めて聴かせてもらえて(キーボード弾きとしては・・笑)すごく嬉しかった。
なんかね、何を弾いてもそこに「歌」があって、そしてこういう音楽をしたいっていう意志がバ〜ンって出るんですよね。スゴイ。
そして、アルバムラストのこの曲からの流れで、アルバムオープニングの「我が祈り」へという、秀逸のラインナップ。冒頭の♪心のポケットにしまった秘密シークレット♪の声の色が、ライブ独特の語り方でゾワッとしたですね。「悪魔のささやき」ツァーで初めて「悪魔メフィスト」を聴いたときのショックをちょっと思い出していたのだけど、そのかなりの絶叫度は気迫とかインパクトはもちろんすごくて、でも贅沢をいえばもうちょっぴりだけ「歌」がきこえたらもっとよかったのにな〜と。

昨日は、細かく効果的だった照明使いも印象的。
アンコールでまず「俺たちの明日」。フロアも一瞬で(実際の明りのみならず)明るくなる。
本プロの間、コンサートあたまや最後の激しい曲で、ん〜、宮本さんちょっと高音苦しそうだ、というか音が無くなってる・・とちょっと残念に思ってたのが、アンコールに突入したら一掃されててすっごいいい声。喉が馴染んでる感じがして、気持ちよかった。
「悲しみの果て」でお客さんが一斉に沸き立つ。みんなホントに好きなんだ、この曲。

そして「桜の花、舞い上がる道を」。
その日仙台までの車窓のお供のi-Podのシャッフルで、はからずも2時間足らずのうちにこの「桜」の3ヴァージョンを全て聴いてきた私は、ちょっとしたビンゴ気分も手伝って嬉しく味わう。
両手を広げて歌うスタイルも、ちょっと懐かしい。
そこからの「ガストロンジャー」も格別。尋常じゃない超速の踊りが昨日もすごくて、それでソロを振られた藤井さん、ビックリしてなかったかなあ、なんて。
宮本さんの指示がいろいろ飛んでて、藤井さんと石くんのデュオとか、成ちゃんに「チョッパー、チョッパー」って言ってたり・・・・
私詳しくないのでよくわかんないんですが、チョッパーってスラッピングのことだよね?
成ちゃんがスラッピングで弾いてるのってあんまり見たことなかったような気がする。宮本さんはだいぶ長い間これでもかこれでもかって、成ちゃんにそれを強くリクエストし続けてた。
で、ご自分もキーボードでインプロのソロ挟んでて、それがすっごく良かったなあ。
宮本さん、ライブでもっとキーボード弾いて下さい!

ラスト、お決まりといっちゃあお決まりの「ファイティングマン」への流れ。
最初ちょっとおとなしかったお客さんたちも、さすがにこの頃は盛り上がってた。いつものように前後左右走り回ってた宮本さん、最後に近いサビで銅鑼のとこに駆け寄り、一発。

とにかくずっと歌いっぱなし弾きっぱなし、与え続けっ放しの2時間。
密度が濃くて充足感でグッタリ。
私たちも、そして出演者もたぶん抜け殻になっていただろうな、いつものごとく。
初めて生で聴いたアルバム曲たちが、そして藤井さんのギターinエレカシが、これから先のコンサートでどんな姿になっていくのかが、とても楽しみでならない。
Zepp仙台の最後の勇姿を目に焼き付けつつ、新幹線に乗り込む。
たくさんの思い出を作ってくれた仙台は、この最後の時までまた新たな忘れがたいシーンをプレゼントしてくれた。
ありがとう、仙台。
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by saskia1217 | 2012-06-25 19:31 | エレファントカシマシ | Comments(0)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!
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