チケットが売れない

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・・・とツブヤいて、KREVAがネットで話題になってる。
ツァーのなかで4回も東京公演をセットしたっていうから、さすがにそれは売るのも大変かもとは思うけど。
というより、そんなことをツブヤいたこと自体が賛否両論なんだそうで。

音楽業界の実態がわかっていいじゃないかという好意的なものから、同情票あつめて売り上げ貢献しようとしてるという悪口から、そんなこと本人が言うべきことじゃないという批判まで。
彼のツイッターには、ファンから、同業のミュージシャンや音楽ライターさんなど業界の人たちまで、多くの励ましのコメントが届いていた。
その効果もあってかチケットはそれ以前より売れてきたそうだから、結果よかったなあと思う。

動員数の規模からして我々クラシックとは比べ物にならないポップスやロックの世界でも、かなりの大物、ベテランであってもミュージシャンはコンサートの収益だけで食べていかれるわけではなく、例えばグッズ収入は大きな収入のウエイトを占めるという。
あちこちの記事が嘆いているように、たしかに昨今じゃ音楽はDLして手のひらに収まるちいちゃな何かから線を通して届く平べったい音だけで皆が満足するようになったお陰で、CDも売れなくなったし、ましてや時間とお金と手間をかけてコンサート会場まで足を運ぶ人は本当に少なくなったのだろうな。

音大生だって、昔にくらべたら皆ほんと〜〜にコンサートに行かないんだよね・・・。
じゃあCDでも聴いているのかと思いきや「You Tubeで聴いたんですけどぉ〜」って(苦笑)。
おいおい、誰の演奏だよ?
しかもその1種類しか聴いてないで、もう「そういう曲」だと思い込んでる。
ネットは上手に使おうね(笑)。

コンサートの話だった・・・。
「売り方」「売れ方」という「商法」ありきの世界では、楽曲の制作段階からしてそれが深くのしかかってくるから、本来「創造者」であるアーティストは多かれ少なかれ心が傷むことだろう。
もちろん誰しも食べていかにゃならんし、「売れること=伝わること」なのは揺るぎない事実だからそれを目指すのは正論だしモチベーションにもなる、そして自分の創造性を大事にしつつ大人の考えで良いバランスでやっていければそれがベストなんだろう。
「やりたい音楽」「いい音楽」と「売れる音楽」とのせめぎ合いは、古今東西、いつの世でも音楽家たちの悩みでありつづけてきたし、それは音楽が売り物であるかぎり、音楽家が職業であるかぎり、これからもずっと消えないテーマ。

コンサートに行きたい、と思ってもらうには「ヒット曲がないとダメ」とかいってる記事もあるけど、それだけじゃない。
お客さんがみな、ヒット曲が聴きたいわけじゃない。「ヒットしているからコンサートに行こう」とはならないんじゃないか。
曲も、アーティスト本人も、露出が多ければ当然認知度が高くなるからそれは確かに大事だろうけど、やっぱり最後は「この曲を、この人を、生で聴きたい、見たい」と思わせる何かだよね。
KREVAなんて、ライブじゃなきゃぜったいに素晴らしさがわからないアーティストの筆頭にあげられると思うけどなあ。

そう考えると、こんな世の中、何人ものミュージシャンたちがコンスタントにCDを出し、コンサートをやりつづけている、それだけで本当にスゴイことなんだとあらためて思ってしまう。
事務所、レコード会社、イベント会社・・・その他すべてひっくるめて。
最近のいろんな芸能ニュースを見てても、そのことに思いを馳せる。
才能以上に、我々には想像もできない苦労や努力もあるだろうし、その代償も大きいだろうけど。

しかし、「コンサートのチケットが売れない」ことに既に何十年も前から慣れっこになってしまってるクラシック界の我々からしたら、何をいまさら嘆いてるのか、って気にもなってくるけど、まあ、規模が違いすぎるから、いい時悪い時の振れ幅もハンパないんだろうなあ。
自転車操業の日々を最初から覚悟してこの道に進んだ我々は、「一生この会社に居られる、なんていう時代は終わった」「いつリストラされるか、という恐怖から逃れられない」と嘆くサラリーマンや、中小企業への就職を敬遠する若者たちなどを見るとつい、「何をいまさら」「私たち、もともとそうだからな〜」と多少大らかに構えてしまう。
「手に職があるから強気にもなれるんだろう」と言う人がいるが、いやいやどうして、音楽が出来るくらいじゃどのみち何処にも雇ってもらえないよ。
が、まあ、明日のご飯があればとりあえずはそれでいい。
大変なのはみんな一緒さ。

でもさ。
私たちはその小さいマーケットの中で、人の心に届けるように、武道館をいっぱいにするミュージシャンと同じくらいの切磋琢磨をしていかにゃならんのだ。
広げる努力は必要だし、これからもやってかなきゃいけないけど、そこにヒステリックになっちゃダメなんだよな。
躍起になるべきなのはもう、そこじゃあない。
ほそ〜く、なが〜く。
そして、大事なのは・・・けっして、冷えてしまわないように。

閑話休題。
東京で桜が満開になった今日、ものすごく久しぶりに「桜の花、舞い上がる道を」のPVを引っ張りだしてきて見た。
エレカシのクリップスたくさん持ってるけど、じつはあんまり見ることがない。
桜が満開というニュースに、出かけられなかった気分が映像に向かった。
桜満開の歌なのに、桜の花や、見事な桜並木などはひとつも映っていない、そこがやっぱりいいなあと再認識。
いいんだ、心の中に咲く、咲いてる花だから。
それはたとえ春じゃなくても咲くから。

宮本さんが着ている、強烈なピンク色の塗料がかかった黒いコート。
あのPVを初めて見た時は何の違和感もなかったが、あれで赤羽の町を歩いてたら、ある意味ペー&パー子師匠よりも目立つだろう、と思った。
赤羽のどまんなかで、あのお二人に出会って度肝を抜かれたあの夏の日が懐かしい・・・。
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by saskia1217 | 2012-04-07 20:02 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

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