冬の遠足

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「遠足」って実は違うな、「近足」だな(笑)。
そういや「春の遠足」「秋の遠足」はあったけど、冬や夏にはなかったね。
「気候がいい」のは春と秋、ってイメージなんだろうけど、冬の空と空気は最高なのに。
樹だって、冬は最高にかっこいい。

ここ数日あまりのお天気の良さについついまたお出かけ。
日差しが気持ちよくて電車を使うのも勿体なく、全行程てくてく歩き。
前回は主に「東都駒込辺絵圖」を巡ったので、今回は「雑司ヶ谷音羽絵圖」を網羅するべく、本当は一日で回りたかったけどちょっと自分にブレーキかけて3回くらいに分けるつもりで。

雑司ヶ谷霊園を目指して歩いていたらひょっこりお稲荷さんが目に入った。
福田稲荷神社。
見落としてしまいそうに、住宅地や小さな畑の奥の奥にひっそり。
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どんどん入ってみる。
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普通のお宅の狭間に。
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昭和に入ってから建て直されたものらしかったけど、傍らには「享保」と刻まれた手水舎の水桶の石があったり・・かなり古いことは確からしいけど、詳細は不明みたい。

うっかりもう豊島岡墓地の境目まで来てしまっていたので、西へ向かって戻りつつ、思い立って先に「宣教師館」を見ることに。
この辺りは昔ながらの区画が多く、道もくねくね。
古いお家もところどころに残る。
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雑司ヶ谷霊園から南へすぐのところに「雑司ヶ谷旧宣教師館」。
明治の終わりに来日したアメリカ人宣教師マッケーレブの住居跡だ。
敷地内は無断撮影禁止なので、外から一枚だけ。
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普段、自由学園なんかにさんざんお世話になってる区民として(笑)この存在はよくきいていたけど、実際来てみたのは初めて。
暖かな陽の光が注ぐ洋館と、数々の草木が美しく手入れされた小さなお庭。ベンチもあって、お庭ならお弁当やおやつ食べてもOK。
館内はスリッパを履いて無料で自由に見学可。だ〜れも居ない静寂の中で2階までたっぷりと見て回る。ひざ下くらいまでの大きいガラス窓に囲まれた外廊下からいっぱいに光が入る。
浴室が2階にあったり、各部屋の暖炉がちょっとずつ様式が違っていたり・・・ギシギシ音がする木の床や階段もいい。寝室には実際に使われていた大きなベッドも現存。
数々の展示から、当初この宣教師が働いていた「大塚教会」というものが存在したことを初めて知る。また染井霊園でいつもお墓の前を通っている「東洋のナイチンゲール」ミス・ワイリックが、この宣教師たちと共に働いていたことも記してあった。
1階の部屋には大正時代のリードオルガンがあり「とても古いので、弾くときはそっとお願いします」との表示。珍しく手を触れていいみたいだ。
さっそくフタを開けてそ〜っと弾いてみる。冬の晴れた午後、誰もいない小さな洋館に賛美歌を鳴らすのもなかなか素敵な体験だ。

その辺りの坂をブラブラ昇り降りしてると、まるで廃屋みたいな不思議な、でも何だか惹かれる建物が目に入る。
地図だとここは日本女子大の寮近くなのだが。
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霊園方向へ戻り、先に「御嶽坂」を見にゆく。この日訪ねる場所は坂が多く、坂フェチ(というほど詳しくないけど)初心者としてはついでに坂もチェック。
墓地に隣接する寳城寺(寳成寺)、清立院(清龍寺)の方へ降りてゆくのがその坂。大きな樹は欅?
とても素敵な道。
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「雑司ヶ谷七福神」の場所には赤い幟が立っているので見つけ易い。
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清立院前にある小さな神社。
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こちらが寳城寺の入り口。
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墓地内の「いちょう通り」や「中央通り」は近所の人の通り道にもなっていて、自転車や犬の散歩など比較的人通りが多いが、中に一歩踏み入るとヒッソリとしている。
折からの寒さで東京では近年珍しい霜柱が出来、日差しに溶けてブーツがドロドロに(苦笑)。
でも構わず歩く。
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歩いていると急に「にゃあ」と声が。
お昼寝邪魔してごめん!
あっちこっちに猫がいっぱい。
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ここは将軍吉宗の御鷹部屋御用屋敷があったので、その名残(っぽい)立派な松があったり。
将軍といえば松、ってイメージ強いな。
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染井同様、著名人のお墓が多数あることで有名だが、私は「墓マイラー」ではないし(笑)とてもじゃないけどキリが無いので、この日は夏目漱石、永井荷風お二人のところだけを訪ねる。
漱石先生のお墓は大きくて立派な感じ、表通りにも近くてすぐ見つかった。池袋ビル群を背に堂々と。
さっきの猫ちゃんたちがたむろしていたのは、じつはこのすぐ近く。やっぱりね(笑)。
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そして、交番側の入り口近く、ちょっと奥まった荷風先生のところへは泥まみれの足でやっと辿り着く。ちょうどここを捜してこられた年配の女性と少しお話。なかなか見つからなかったとか。
染井もそんなにたくさん案内板はないけど、雑司ヶ谷はそれ以上に特別な表示はしていないから、捜すのがちょっと大変かも。
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佇んでいるとちょっとホッとしてくる。
大きく育った乙女椿の樹に守られて、やはり椿の樹にこんもりと覆われていた慈眼寺の芥川家のお墓を思い出させた。

墓地を後にして都電沿いを歩く。
都市計画のために後退させられた新しい建築の合間に残る古い建物。
つい立ち止まって見入ってしまう。
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都電の車窓からいつも見ていた「大鳥神社」。
新しい鳥居も、古い拝殿も立派。ここも「七福神」のひとつになってるらしい。恵比寿さまがいるところ。
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そして境内にはなんと「雑司ヶ谷ナス」の鉢が!
嬉しいね、ここにも江戸野菜。
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北へ少し歩くと「なんだこの光り輝く面白い形の屋根は!」と思ったら東京音大。
高校生の頃いちど来た時はもっと古かったから吃驚だ。
校舎の合間から大きな「鬼子母神」が見え、向かう。
有名な欅並木は日陰だとちょっと寂しい。
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ここは小さい頃来たはずなのに、全く覚えていない。
テレビでいっつも見ているのに(苦笑)。
やっぱり威厳がある。
本堂中には多くの古い絵馬などが見える。外側も装飾が素晴らしい。
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有名なオオイチョウ、都内各地にあるものの中でも最大級だろう。
芝東照宮といい勝負だな。
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境内にある武芳稲荷。多くの赤い鳥居が、暗い境内に映える。
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境内を出たところにある「威光山」の石碑。
つぎに目指すのは「法明寺」と「威光稲荷」。
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池袋に何十年も親しんできたのに、なぜこの界隈をこんなに知らなかったのだろう。
ジュンク堂に来るときはいつも「東通り」を歩いてきたというのに、そこからほんの一歩入ったこのお寺の数々を見たことがなかったとは・・・愚かすぎる。しょぼん。
観静院、安国堂などを両側に見ながら桜のある通りを進むと、正面に立派な山門のある法明寺。
少しだけ中に入ってみたが風格あるのにどこか質素な心静まるお寺だ。
この通りも近所の人や音大生がたくさん通る。
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お寺の脇から東通りへ抜ける墓地横の細い通りをゆくと、途中の右手に「威光稲荷」の入り口がある。「参拝の方以外は立ち入り禁止」の文字。
どうやらここからもっと奥へ入るらしい。
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お百度石のある細い道を何度も折れ曲がりながら、法明寺のちょうど裏あたりにどんどん入ってゆく。どきどきするなあ。
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階段を何段かのぼると、そこにお社がやっとあらわれる。
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まわりは樹々の茂みに囲まれて、まるで外界から完全に隔離されたような空間。
池袋なのか、ここは・・・!?
お社まわりには信徒の方が建てたのか小さな祠などもいくつかあって、まるっきり「ミニ伏見稲荷」だ。
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いつまでもここにいたい気持ちにさせられたが、ずっといると現代の池袋に戻れなくなるような気がして(!)、古びたお狐様に見送られながら威光稲荷を後に。
3分後ジュンク堂の店内に入ってからやっと、今に生きてる自分が戻ってきたようでちょっとホッとしたような。

いろいろな出会いにまたまた感謝。
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by saskia1217 | 2012-02-11 17:10 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!
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