北風を貫いて

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この冬いちばん冷たい風だったかもしれない。
おまけにものすごく吹き荒れてた。
昨日、木曜日の東京。

夜から大学で用事があったので、午後いっぱいを兼ねてから巡りたかった場所の散歩に充てた。
そのままずっと歩き続けていけば最後に大学に辿り着くからだ。
先日久しぶりに車に乗って実感したが、普段からあちこち歩き回っていると運転しない人間でも道に詳しくなる。運転する人には当たり前におなじみの道や交差点の名称、東西南北、東京の何処に大体どういう道がどう走っているのかなどが知らないうちに頭のなかに入っている。
仕事場から自宅まで歩くなんて朝飯前になったから、何かあった時にも役に立つなあ・・・なんてね。

古地図&現代地図合体本と小さい東京地図と遺跡地図を持って、風のなか家を出た。
まずは巣鴨〜千石を通って本駒込へ。
駒込富士神社。
本郷通りの駒込駅以南では、なぜか六義園から本駒込駅の間だけ通ったことがなく、歴史あるこの神社もまだ行ったことがなかった。
都内にいくつかある大きな冨士講、富士塚のある神社のひとつ。
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立派な入り口。
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階段はかなり急だ。
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てっぺんまで登りつくと拝殿があるが、扉が閉まっていてなんだか寂しい。
お賽銭箱は下のがそうだったのね(笑)。
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帰りも結構な下りっぷり。手すり万歳。
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ここは前方後円墳ではないかという説が強いらしいけど確証はなく、発掘調査も行われてはいないらしい。こうやって遠くから見ると確かにそんな形状かなとは思うけど、よくわからない。
古墳の上に神社がたてられたことも多いから、そうだったら面白いね。

そこから東に少し歩くと天祖神社神明宮がある。
ある・・・はずなのだが、神社というのは高い塔も無いし鳥居だってそれほど高くないから、住宅地のなかに埋もれてしまって見つけにくいことが多い。私が好きな中くらいの大きさの神社はそうだ。特に大好きな(笑)ちっちゃなお稲荷さんなんかはもう、迷路みたいなとこを何十分もぐるぐる捜すなんてことはよくある。
「火事、喧嘩、伊勢屋、稲荷に犬の糞」とはよく言ったもので、古地図に載ってる稲荷を全部訪ねあてようとしたらかなりの仕事になりそうだ。やってみたいけど(笑)。
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ここは本当に住宅地の狭間に静かに静かに佇んでいる神社。
ここだけ空気が一段と澄んでいる気がする。境内の真ん中に立って空を見上げると、大きな樹が風にざわついている音だけが聞こえる。
「神明宮」という名称の神社はこんな雰囲気のところが多い気がする。阿佐ヶ谷の大きな神明宮と同じ空気を感じる。名前のとおり、というか。

ここにも小さなお稲荷さん。
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ここからもうすぐそこが動坂。都立駒込病院の敷地内に動坂遺跡の記念碑があると本で読んでいたのでそれを見に行く。動坂は文京区と北区の殆ど境目だが、この遺跡はもともと近くの目赤不動(南谷寺)の明治時代の改修時に出土した遺物が発端となって、のちに駒込病院の工事中に見つかった貝塚と合わせて、ここが縄文中期の大型集落だったことが判明したものだ。
出土品から、武蔵野台地と下総台地との交流があったことが証明された大切な遺跡。そしてここは江戸時代、鷹匠の同心組屋敷があったことでも知られている。
病院の裏手から細い道をぐるぐる回って、やっと正面に辿り着く。
あった!
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記念碑には貝塚の一部が残されていて結構はっきりと貝を見ることができる。
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千駄木、本駒込、この辺りはまだまだ古い家屋があってちょっと嬉しくなる。
道幅もそんなに広くないから歩いていて落ち着くね。
途中から道を折れて団子坂に通じる道に出る。
この一角は古地図でも真っ赤で、数えきれないお寺が建ち並んでいるから、とてもじゃないけどひとつひとつ見ているとキリが無い。

養源寺と蓮光寺。
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各お寺にそれぞれ史跡があるので、もう解説読むだけでお腹いっぱいだ(苦笑)。
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静かなに広がる墓地も心が落ち着くけど、やっぱりお寺は神社と違って「ウエルカム度」があんまり無いなあとつくづく思う。
いや、役割が違うし、ウエルカムなお寺もいっぱいあるんだけど、防犯上のこともあってお寺の本堂は閉まっていることが多いから、例えばご本尊を簡単に見ることができなかったりするのは残念だ。現代のお寺はやっぱり「お墓参り」する人が訪ねるのが普通だから、門を入ってズンズン本堂を目指すのにいささか躊躇いを感じるのが常。
カトリック教会には自由に出入りできるけど、プロテスタント教会はそうばかりでもない、あの感じをちょっと思い出した。(全然違う話だけど・・・)
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目指していたお稲荷さんを発見。御林稲荷社。
駒込学園の立派な校舎の麓、マンションの影にひっそりとあった。
表通りから一歩入らないと見つからない。
公園でもないような中途半端なスペースに、でも大事に残っている。
お社の中にはちゃんとあかりが灯っていた。
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もうひとつのお稲荷さんを捜しに、団子坂に向かって坂をおりる。
その手前にまだ建築中なのは、今年11月にオープン予定の森鴎外記念館。威勢のいいオジサンたちが大きなかけ声を掛け合いながら作業をしていた。
もうずいぶん長い間休館になっていたが、やっと出来るんだね。たのしみ〜。
今年は鴎外生誕150周年とかで、根津や千駄木の商店街にはそんな旗やステッカーがいっぱいだ。

「満足稲荷」が見つからない。
再び、住宅地に入り込んでぐるぐる。
こんなとこに?と思ったらあらわれた。
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もっと奥なんだ。この表示がなかったら絶対にわからないな。
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手前には子供用の遊具があり、すっかり公園の体。
お社は民家みたいな色と形。手水舎と狛犬で、ここが神社とわかる。(稲荷なのに狛犬なのね)
もともと寛永寺の中にあったものだそうだが、後に京都の伏見稲荷からご神体を授かってここに鎮座したとか。かの秀吉が、桃山城に伏見稲荷を鎮座してから幸運に恵まれたと「満足、満足」と言ったことがこのネーミングの由来らしい。
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薄暗いお社の中を覗くと、壁にはたくさんの古そうな武者絵がかかっているのが見えた。どうやら江戸時代の絵馬らしい。高村光雲作の神輿もあるらしいけど、どこに保管してあるのかなあ。

すぐそばがもう千駄木駅だったが、白山に行こうとしていたので、引き返して本郷通りに戻る。
両側は殆ど全てお寺だ。
ふと、光り輝くものを見つけてフラフラと近寄ってみる。
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駒込観音。
光源寺にある。
ガラスの向こうの観音様は、なんだか暖かそうに見えた。
それほど「こっち側」は寒かったのだ(笑)。
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駒込は江戸時代、梅の名所だったが、ここの有名な梅の木はすでに何代目からしい。
この寒空に、すでにたくさんの小さな小さな蕾を付けていた。この大木が花開いたらさぞ香しいだろう。

両側のお寺を覗きながら歩く。
それぞれ建て方や雰囲気が微妙に違うのが興味深い。
時々目にする、すごくモダンに建て替えられてるお寺、あれはあれで素敵だけど、やっぱりこういう街を歩いて、門からチラッと覗いたときにピッカピカのガラス張りみたいなお寺が突然視界に飛び込んでくるのは、それはそれでショッキングだ。
個人的にはね、やっぱり屋根に緑青があるようなお寺が好き。

狛犬的な位置に、お寺ではゾウさん。
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ここから本郷通りを越えて白山に向かう。
つづきはまた。
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by saskia1217 | 2012-02-04 00:37 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!
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