15人の怒れる男たち〜コンドルズ埼玉公演「十二年の怒れる男」〜

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怒っている人を見ているのは、じつはとっても面白い。
怒った音楽、怒った映像、怒った芝居、怒ったダンス・・・。
どれも「笑い」を誘発するものに間違いない。
もともと面白いことをやる面白い人たちが怒ったら、いや、「怒るところを見せてくれたら」・・・
そりゃあ、見たくなるよ。
いや、そもそも幕が開いたときからもう、この作品のテーマが「怒れる男」ということを完全に忘却してしまってたのだけど(笑)、もちろん文字通り「怒る」表現を期待してたわけじゃあない、でも見進めていくうちにちょっとずつ、あっちこっちに散りばめてある「怒る人」たちの声や動きや、そして音楽に「あれ?」とか「へえ〜」とか反応している自分がいた。

コンドルズの作品はいつどこで観ても楽しい。それは観た人の多くが思うことだろう。
グローブ座、シアターアプル、渋公・・・ハコの大きさや動員数にかかわらず、毎回、その場の空気を、そこにいる人のココロを一気にかっさらっていってしまう。
与野の彩の国さいたま芸術劇場でのコンドルズは6回目。
ここでやるコンドルズは、私にとってはなにか特別な感じがいつもしている。
奥行きに恵まれた広いステージ、ゆったりとした客席、劇場全体の持つ「アート」(ってちょっと誤解が多い響きするけど)な空気と、ほったらかしにされたような自由さ。
そこでのコンドルズはいつもどこか新鮮で、実験の匂いもして、のびのびしてて、何かに包まれたなかで饒舌ではっちゃけてて、そしてとても真面目だ。

総勢15人がのったステージは、広すぎず狭すぎず、客席から見ていてとてもしっくりしていて気持ちよかった。
冒頭とラストに置かれた椅子を使った動きは、たぶん2階席から見たらチェスみたいでより美しく見えただろうな。その床や、作品とおしての細かい照明プランの美しさが印象的。
見始めた頃のイメージからするとちょっと違ってきたというか、比較的年齢の若いしなやかに踊るメンバーが加入したせいもあるのか、全体的にキレがあって、無駄な動きがなくてソリッドな感じ。
それでも一人一人の個性はちゃんと残ってるのだけど。
今回は特に、ダンスの部分が音楽に合わせた「振り」になってるところが多かったのが新鮮。
机を使ったダンスも面白かったけど、大の大人の男性が4人も5人も平気で乗っかって、机が若干しなっているのが見えたのがちょっとコワ面白かった・・・。
ラストの「ボヘミアン・ラプソディー」は音楽を短く切り取らずに息長く使いながら、いつもの「近藤さんのソロから全員の大団円」へのうねりが「いつも通り」から一歩外れていて面白かった。
最後の最後まで椅子が残されていて、それどころか一気に増殖してて(笑)圧巻。
近藤さんがセンターでガクッと崩れ折れて、それに喝采を送る石渕さんという幕切れの鮮やかさ。

使われてた音楽は、洋楽に疎い私には知らない曲が殆どだったけれど、どれも好きだったし、シーンにピッタリだったな。
近藤さんの弾き語りの短い歌がすごく好きでした。あれをもうずうっと何曲も何曲も続けて聴いていたいくらい。お客さんの反応の微妙さにも笑えたなあ。
カーテンコールのBGMがエレカシで正直また興奮しましたが、「戦う男」という、どセンターを外したようでいて実は的を得ている絶妙なチョイスに拍手を送ります!

さいたま公演、1年に1回のプレゼントのように楽しみにしているので、ぜひずっと続けてほしいです。
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by saskia1217 | 2012-01-30 22:50 | コンドルズ | Comments(0)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!


by saskia1217