元暗し

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大学はもう期末試験期間。
試験と試験と間にちょこっとだけ時間があいたので、学内の暖かいところでぬくぬくと本でも読むかと思ったが、あまりの天気のよさにダウンを羽織って外に出た。

大学のすぐ隣りにある、この「護国院」。
寛永寺の子院である天台宗のお寺で、このあたりで数回の移転を繰り返した。徳川家光が奉納したといわれる大黒天で有名で、谷中七福神のひとつでもあり、また上野王子駒込辺三十三ヶ所観音霊場の札所でもある。

今まで20年以上ここに通ってきて、このお隣さんには一度も境内に足を踏み入れたことがなかったという疎さ。
大学に来るのに上野駅を利用する私は、根津駅方面に行く時にしか通らないこの道をいつも「ふうん、お寺かあ」とチラッと見るだけだったからなあ。
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訪ねてみると、静謐なその境内には古くて美しいものがいっぱい。
札所めぐりや七福神めぐりの年配の方たちが漫ろに訪れるこの場所も、この時ばかりはたまたま誰ひとり人影がなく、「お守りは本堂の中にあります」の張り紙に甘えて靴を脱いで上がり、正面の入り口の引き戸が少しだけ開いているところから中を覗く。
シ〜ンと静まり返った本堂の奥には、ご本尊、大黒様、七福神・・・様々な仏様と神様が。
お賽銭箱の横には数々のお守りや蠟燭の入れ物が並び、どれも参拝者が自由に手に取って代金を入れるようになっている。

冷え冷えとしながらも、暖かい光をともす小さな蠟燭や、障子を通して差してくる日の光、仏像をひっそりと包む鈍い光、そして何よりも畳敷きの床からは何か落ち着いた温もりが発せられていて、ずっとずっとそこに座っていたい気持ちになった。
30分ほどぼんやりと座っていたあと、ご本尊に少しだけ近寄ってお顔を見たり、弁天様の前でいろいろと欲深いお願いごとをしたり(笑)。

ふと後ろから人の声がきこえ、年配の方たち数人のグループが賑やかに入ってきた。
本堂を出て我に帰る。
楽堂や庫裏をちょっと見てから、お寺を後にする。

ため息ものの宝物がゴロゴロ立ち並ぶ上野。
見事に一面真っ赤な江戸時代の地図を手に、それが殆ど通用するような過去が生きているこの街は、いつでもどこにでも発見がある。
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by saskia1217 | 2012-01-19 23:56 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!
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