エレカシ、プロモラッシュのなかで

雑誌「MUSICA」の今店頭に並んでいる最新号に、エレカシ宮本さんのインタビューが載っている。
新曲リリースに合わせてのプロモーションがスゴくて、ほぼ連日、テレビ・ラジオ出演、雑誌掲載が続く。今月は雑誌だけでも8誌。ファンも息つく暇がない(笑)。

でもやっぱり気になるので一応全部目を通す。
そしてMUSICAのインタビューは、期待どおりにすごくよかった。
女性誌やファッション誌など目的やターゲットが違うものはまた別の話として、他の音楽誌の記事は何度読み返しても残念ながら殆ど頭に入ってこなかった。
質問者の興味のポイント、そして回答者の心の中に本当に存在するもの。
MUSICAにはそれがあったから、読んでいてとてもスッキリし、納得し、その先を考えることができた。
インタビュアーの鹿野さん、やっぱり素晴らしいな。

宮本さんはとても興味深いことを語っていた。
(私の記憶で勝手に抜粋しているので、以下実際のご本人の言葉とは違うと思います、すみません)

自分たちの仕事やステージをことさら「震災」にかこつけたくなかったこと。
「そんなこと思ってても、テレビやラジオじゃ言えない」
ファンクラブ会報以外で「震災」について公に言葉で語ったのは初めてだったんじゃないかな?
会報でもそこまで深い本当の気持ちは話していなかったのではないかと思う。
でもそれは彼らがフジテレビの震災復興応援の音楽番組に出たときの宮本さんの様子をみればすぐわかるし、その直後の全国ツァーのステージを見て、聴けば、もう何も語らずともそんなこと十二分に伝わっていた。
そのライブの場に居られなかった人でも、宮本さんの言葉と音楽、そしてエレカシの演奏を聴いているファンなら、すぐわかる。
私たちは、そんなエレカシ、そんな宮本さんが好きなんだ。

どこまでいっても、わかってる「つもり」なんだけどね(苦笑)。
でも、いつも「わかりたい」のがファン。

震災から今日まで、自分がこれといった「震災復興」を銘打った仕事をしてこなかった私自身の言い訳では決して無いのだけど。やらなければいけないなと思っていたこともあったし、やろうと思えばできた筈なのも事実。
でも、しなかった。してこなかった。
そして以前にも書いたけれど、それを銘打って企画して実行し、今も続けているアーティスト、ミュージシャンは本当に素晴らしい。それに対してはこれっぽっちの批判も異論もない。

だけど、自分にとっては、何かが、何かが違う。違和感がぬぐえない。
中身じゃなくて形の話なんだけどね。
だからあの時、エレカシの水戸のコンサートを聴いて心底ホッとした。自分に戻れた。
私にとってのステージ人間とは、やっぱりこれなんだと思えた。

あ〜、もちろん、規模の違う話なんで、自分とエレカシを同じ土俵で語るなんて滅相もないんですけど。
でも、もし許してもらえるなら、いいたい。
そうなんです、すっごくわかる!って。

他にも印象に残った話がいくつかあった。
若い頃の、瞬発力でいいものを作ろうとしていたことと、いま歳をとってやはりいいものを作ろうとするために、昔と変わったこと、そして今でも同じく変わらないこととは・・。
昔に比べていまは「ロマン」が少なくなったこと。
今はもっとより多くの「現実」が見えてきて、今までのこと、今現在のことをひっくるめて、それをまとめながら進んでいるということ。

「ロマン」は若干少なくなりながら、じつは性質を変えているだけだ、なんて思ったりしている。
以前のロマンとは違う質のロマンがたしかに存在するんじゃないか?
と言ったって、他の人に比べたら、詞を書き音楽を書き歌を歌う人のなかにある「ロマン」はとてつもなくおっきいと思うけれど。
そして「現実」が見えてくるっていうのも、文字にするとなんかネガティブに見えがちだけど、じつは自分自身の中、そして隣近所との風通しが良くなって、楽しく生きられるようになる素敵な現象なんだ。
それがきっと本当に地に足をつけて生きるってことなんだろうな。
そしてたぶん、「現実」が見えないと「ロマン」は生まれてこない。
根無しのロマンは全て幻想、きっとすぐ泡みたいに消えてしまって、自分のなかにも世の中にも残らない。
いま私たちの目の前に形として残されているものはすべて、しっかり生きた人の足元から飛び立てたうつくしい羽根ばかりなんだろう。

今日、ポイントカードの更新に池袋のタワレコに寄ったら、小さいながらもポップで飾られたエレカシコーナーが出来ていた。
そこで流れていた小さい映像で、初めて「ワインディングロード」のPVを見た。
「人生」を辿る道で出来たわかりやすい映像だけれど、見ているうちに生、愛、死のような言葉が脳裏に点灯した。
ありふれている、ありがちな言葉だけど。
歌いながら歩く宮本さんがすれ違う多くの人たちのなかで、終盤近くに現われる葬列(黒い服と、持っている楽器の編成からしてまずそうだろう・・・トロンボーンと太鼓は「死」「葬儀」のシンボルで葬送の音楽に必ず使われる)と、その直後に黒服のバンドメンバー3人がこちらを見送るシーン。
PVストーリーの時系列でいけばそこに「死」がくるのは当然で、それはイヤな事でもなんでもないのだけど・・
「え〜、宮本さんの最期は3人が見送るのか?」みたいにも見えて、あの瞬間だけちょっとだけドキッとしてしまったな。
その後すぐ画面が明るく開けて4人の演奏シーン(現在)に変わるので、救いはあるのだけれど。

はい、そうですね。
考え過ぎ(笑)。
PV、大きな画面で見たいなあ。
地上波で流してくれないのって、残念すぎる。
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by saskia1217 | 2011-11-19 02:10 | エレファントカシマシ | Comments(0)