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そうだ京都、行こう。

先週末の京都〜大津行きはもちろんびわ湖ホールの本番の仕事で出かけたのだったが、たまたま前日はオフじゃないか、と最近になって気づいた。
・・・ので、まさに「そうだ、京都行こう!」と急に思い立って正午頃京都に着いた。
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まずは駅ビルで懐石風のランチをいただいてから出発。寒くて雨という天気だったが、もうそこだけ見られればいいと、以前からどうしても行きたいと思っていた場所を目指した。
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着いた!
稲荷駅、伏見稲荷大社
駅も神社風の色合い。
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とうとう来た!
あこがれの場所。
なんかドキドキする。
有名な千本鳥居がドラマのロケ地の定番だったり、雑誌でよく見たりしてたけど、そういうこととは別に何だか知らないけど惹き付けられて仕方がなかった。
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まず最初のお狐さま。比較的新しい。
(・・・で、これから先、だんだんキリが無くなっていくのだけど・・・笑)
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本殿。ここは第一の鳥居や楼門からすぐ。
ここの稲穂を加えたお狐さまも新しそうだ。
全国3万といわれる「お稲荷さん」の総本宮ともいわれるこの伏見稲荷の起源は和銅4年(711年)で、今年が御鎮座1300年だという。
和銅、って和同開珎の「和銅」だよね?すっごい。
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本殿横の社務所でお土産代わりの御護りなどを買い、奥へ奥へと進む。小雨が降っていたので傘をさしたりささなかったり、足元に気をつけながら、天気が悪化してきたら引き返せばいいと思いつつ、それでも明るいうちに戻ってきたいとちょっと焦りながらどんどん歩き続けた。
進むうちに次から次へと違ったお狐さんの姿が。
もうここからは「鳥居と狐」に頭の先から足の先まで支配されていくような、ハンパない数になっていく。
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そして、ここを訪れる人の殆どが目指す名所、この分かれ道のところ。
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ドラマロケでもおなじみ、千本鳥居。
修学旅行の学生さんや中国からの観光客の方たちが何十人も、順番に写真を撮り終わるのを待ってパチリ。
ちなみに右、左、どちらも同じ場所に出る。
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圧倒されるこの朱の圧力のなかで、こんなほっとするひとときも。
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しばらく行くと、やはり名所ポイントの奥社奉拝所に辿り着く。
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これが有名な「おもかる石」。
いつも行く王子のお稲荷さんのおもかる石を想像していったら、なんと灯籠の頭の部分がその「石」らしい。見た所なんとなく軽そうだ。王子のはもっとがっつりした「岩」の形をしていて、そしてもっと大きい。
願い事をしてからこの丸い石の部分を持って、それが思ったより軽ければ願い事は叶い、重ければ叶わないといわれている。
いつもは行列になるほど並ぶらしいが、雨だったこともあって待っている人は4〜5人。ラッキーだった。私もやっぱりここをメインのひとつにしてたからね(笑)。
持ってみた。
左右、どっちでもいいらしいので、右を。

すんなり持てた。
それで、ついつい両手で抱きしめた(笑)。
軽い。
キャベツとか西瓜を選ぶときに、手にもってピョンピョンって飛ばす事、あるよね。
あれに近い感じだった。
ちょっと嬉しくて、後ろに並んでいた私と同じ年齢くらいの女性に「そんなに重くないですよ〜」と言ってしまった(爆)。
(その女性の番になったら・・・重くて持てない!という様子で「ムリ、ムリ、ムリ〜!」と絶叫。単に腕力の問題なんだろうが、ちょっと申し訳ない気持ちに・・)
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奥へ奥へ、上へ上へ。
とにかく雨がひどくならないうちに、行けるところまで行こうとの一心で。
黙々と歩き続ける。
奥社とおもかる石を過ぎると、だいぶ人が減る。大抵はこのあたりで皆引き返すらしい。
この「稲荷山」を登って回ることを「お山する」というらしいが、ネットなどで調べると大抵「ひとめぐりするのに最低2時間かかり、殆どが急な登りの石段ばかりなのでかなりの難所。」と脅かしてある。なるほどたしかに石段が延々と続くばかり。しかも果てしない登りだ。ここを歩くことを考えてスニーカーで来たのは正解だった。標高が高くなるにつれて寒さも増してきたが、身体はもう汗だく、時々立ち止まると心臓がバクバクしているのがわかる。羽織っていたコートを脱いで手に持ち、リュックを背に汗をふきふき行く。

石段が敷き詰めてある道とは別に、そこからいくつにも分かれた道の先には滝があったり、社があったり、小さい祠の集団がどっさりあったり。「お塚」と呼ばれるそれらの社は信者個人個人が建てたもので、この山のなかには1万基以上あるらしい。ところどころにあるお茶屋さんには壁一面に棚があって、参拝用なのか、お手入れ用なのか、その付近のお塚ひとつひとつの分のお神酒やお供え物(?)などが準備されているのが見えた。ちょうどバーの「キープ」みたいな感じ(例えが悪いですね・・)。
とてもじゃないが、あまりにも数が多く、全てを細かく見ていられなくなってくる。
一箇所だけ、道を外れたところの大きな「お塚」(?)に行ってみた。大きな鳥居の先に石碑がたくさんあって、手水舎やおみくじまである。横には2階建ての住宅、きっとここを管理する人の住まいだったのだろう、今は誰もいない様子だった。
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小雨のせいか、ここまで登ってくるとさすがに「霊山」という空気になってくる。歩く人も少なくなり、外国人の観光客ばかりが目立つ。イヤフォンを付けて音楽を聞きながら、パートナーに大声で陽気に話しかけながら歩いているアメリカ人のカップルたち・・・いささか似つかわしくない感じもしたが、かえって怖い感じをカットしてくれてよかったのかもしれない(苦笑)。
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鳥居と、朱色と、狐に、もうさすがに感覚が麻痺してくる。
飽和状態。
このどこか異常な光景には、やっぱり人間の持つ感覚に直接訴えかけてくる精神を感じる。
1300年もの間の、ここを作ってきた人、それも庶民たちの心、念、執着、祈り、怒り・・・そしてこの山自体が持っている何か得体の知れない力。稲荷信仰のみならず日本人の「山」信仰をも身体で感じられる場所だ。
自称「稲荷フェチ」の私も「お稲荷さん、好きなの〜♪」なんて軽々しく口にできない、そこに蓄積された何か大きなものに掴まれている感じなのだ。
同じような色、同じようなリズムで続く石段、同じような緑の中を無欲で進むうち、その先へその奥へ、と吸い込まれるように歩くようになる。
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ひとつとして同じ顔、同じ姿、同じ大きさのお狐さんはいない。
でもやっぱり、古いもののほうが好きだな。
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やがて、新池という大きな池のほとりにある熊鷹社という社の前に出る。
一匹の猫がここを守るようにのんびりと座って、迎えてくれた。
御茶屋さんが何軒かあるこの場所、池のほとりから上を見上げると、これから進む緑深い山はすっかり霧に包まれていた。
ここで引き返す人も多かった。ここまでだと、普通のハイキングコースといった感じ。
ちなみに稲荷山全体の地図はこちら。これを見ると登り具合がよくわかると思う。
さて、ここからがいよいよ勝負、という気持ちになる。もはやまわりは外国からの観光客たちと(英語やドイツ語ばかり聞こえてくる)1人で黙々と登る地元の方らしき人の姿ばかり。
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「四つ辻」に到着。ここまで1時間ちょっとくらい歩いただろうか。
振り返ると京都の町が見渡せた。天気がよかったらきっともっと気持ちがよかっただろう。
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大きな御茶屋さんで、ここから頂上までの時間やコースを尋ねてみる。後から知ったが、この「にしむら亭」は俳優の西村和彦さんのご実家で、ご両親とお兄様が営んでいらっしゃるとのこと。
あと15分で頂上、ぐるっと回って30分でここ、同じ場所に戻ってこれるというので迷わず登り続ける。
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ここから先は三ノ峯、間ノ峯、二ノ峯と続き、頂上である一ノ峯へと続く。
道は霧につつまれてきた。幻想的といえばロマンチックだが、どちらかというと背筋がゾッとする方に近い。でも何故か怖くはない。引き込まれるようだ。
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下を向いたまま登っていたら、フッと視界が開けて社に出た。
やっと一ノ峯。
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大きめのお社にはきちんと立ち寄って、ご挨拶をしながら進んで来た。
ここでも、お社の前まで行って深く頭を下げる。

さあ、あとは下るのみ。
とはいえ下りもキツイ(笑)。
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薬力の滝。滝行のための水。
そばにあったお社は、病気を治したり薬に所縁のあるものらしく、隣りの御茶屋ではそんな御護りや薬がたくさん売られていた。
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ピンとした耳がすてきなお狐さま。
そして。
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おお!
ここへ来て初めて見たよ、狛犬さん。
いたのか〜、この山にも。

「眼力社」というお社の御茶屋さんにて。
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すごい姿勢のお狐さん。
ここのお社では、御茶屋さんの方が雨のなか蠟燭を付け替える作業をしていらしたり、下から机や椅子を持ち上げて登って来たとおぼしき作業員の方達に出会った。
とにかく何かとここまで来るのは大変だろう。
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四つ辻まで戻って来たら、美しい苔の上で猫が迎えてくれた。
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目的を達成できたので、ここで少しホッとして初めて休憩しようという気になり、見晴らしのいい「にしむら亭」でぜんざいをいただく。
だいぶ長い時間、そこで買い求めた御護りを眺めたり、山の地図を見たりしていた。
日が沈まぬうちに下山しようと歩き始める。

もと来た道を辿り本殿前に戻ると、もう社務所は閉まっていて観光客は皆帰途につくところだった。
神社自体、そしてこの山全体は夜でも閉まらずに、なかには深夜に「お山する」人もいるらしい。やってみたい気もするけれど、さすがに1人ではムリかもしれない(苦笑)。

京都駅に戻るべく電車を待っていると、足がパンパンになっているのに初めて気づいた。
そりゃそうだよな、結構歩いた。
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ひらがなで書くとちょっと可愛い駅名もある(笑)。
大津へ向かい、その晩は夢に狐が出てくるかと思いきや、出てきたのはエレカシだった(爆)。

そして。
翌日の琵琶湖は晴天で絶景。
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生まれて初めて見た琵琶湖は、みんなが言うように海みたいに広かった。
少し早めに出て湖畔を散歩。
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まさに湖のほとりにあるびわ湖ホールも気持ちのいいロケーションで、無事本番終了。

日本一のお稲荷さんと日本一の湖。
楽しい時間をありがとう。
またゆっくり来るよ、京都!
Commented by 馬酔木 at 2011-11-16 21:44 x
伏見稲荷の参拝記、堪能しました。私も数年前に娘と一の峯までお参りし、清々しい気持ちになったことを思い出しました。広沢さんはさすが、お狐さまの観察に余念がなかったのですね。私はあの鳥居の中で一番古いのを見つけようと、建立年ばかり眺めながら歩きました(俗人ですみません…)。お山を一巡すれば、ちょっとしたトレッキング、それでいてよそにはない異空間・非日常感覚が味わえますよね。信仰篤き地元の方とか、神社にお勤めの方とかは、毎日上っていらっしゃるのだろうなあ、と畏敬の念を抱きます。
絶景の琵琶湖といい、よいお仕事でしたね。
Commented by saskia1217 at 2011-11-16 23:13
無数の鳥居を見るのはとても大変だったことでしょうね・・・
今回は午後から夕刻にかけて少し焦って歩いてしまいましたが、とてもいい経験でした。次はぜひ晴天の日に、横道にそれる滝や今回見られなかった別の道にあるいくつかの社、そして東福寺に通じる下り道にも行ってみたいと思っています。何かを残しておけば、きっとまた訪れる機会がやってくるのではないかと感じています。
by saskia1217 | 2011-11-15 22:29 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(2)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!


by saskia1217