いちばん素敵〜近藤良平ソロダンス公演「11DANDY」〜

ネタバレしています


近藤良平さんのソロダンス公演「11DANDY」を、青山円形劇場で観る。
久方ぶりだという良平さんのソロのステージ、たぶん前回は2005年11月の「誓いの休暇」(三軒茶屋のシアタートラム)だったはず。
思えばあの舞台が、私にとっての初「コンドルズ」。
テレビで偶然「情熱大陸」を見て彼らの公演を観たいと思ったら、もうコンドルズの公演は終わっていて、その次に観るチャンスがあったのがこのソロ公演だった・・・。
「近藤さん」がどんなダンサーなのか「情熱大陸」以外の情報も知らず、クラシックバレエ以外の「ダンス」を観に行くのも生まれて初めて、演劇やダンスに使うホールに行くのも初めてだった私は、開演前、客席ひとつひとつに無造作に置かれたプログラムや、会場に流れるBGM、すでに照明が当てられた舞台上のセットなどにいちいち吃驚していた。
懐かしい。

今日もまた、何の予備知識もなく・・・どころか公演タイトルすら忘却したまま会場に着いた。
青山円形劇場も初めて。
丸い舞台はいい。そして、近い舞台も好きだ。演る立場でも、観る聴く立場でも。

後から復習したら(笑)どうやら違ったキャラの11人の男が表現されているらしかった。
見終わって印象的だったキャラがいくつかあった。
「しゃべり続ける男」、良平さんは日本語でも何語でもない「言語」でひっきりなしにしゃべり続ける。それってじつはかなり難しいと思うのだけど、聞いているとスペイン語、ポルトガル語、イタリア語が合体したような柔らかいラテン系の響きが支配していて、良平さんが自然体でいられる「音」のバックグラウンドを垣間みたような気がした。「アルゼンチン」「クロアチア(これ多かったな)」が連発されるなか時々「メンタイコ」とか言ってたのに爆笑。
「リズムを気にする男」のチクタクに合わせた動きが楽しい。
「トサカ男」で、頭のトサカを取り外してシャワーで洗ってたシーンでは「・・・洗えるんだ・・・」とちょっと愕然(笑)。

すごく好きだったのが「嵐を呼ぶ男」。音楽もいいし、セリフも好きだったな。とにかく可笑しいんだ。あの男の過去と現在の間には、いったい何があったんだろう(笑)。
「いちいち測る男」も好きだった。なんか、自分をみてる気もして。私ってああいう感じの時、あるよな〜とか。

いろんな場面で突っ込みどころがいっぱいあったのだが・・・
卵形のオブジェを手に掲げて「山海塾!」とか(爆)、いつか何かのコントで見た片桐仁さん風味の動きとセリフとか。

日比野克彦さんの舞台美術は良平さんの「曲線的」な動きやイメージにピッタリ。
もともと日比野さんの作品のイメージとして、私はやっぱり曲線とか長い線とかカラフルなイメージがあったし、何かお二人に共通するものがたくさんあったなあと実感。
そうそう、サッカー好きということも共通点だそうですが。
それにしても、良平さんとサッカーって、相変わらず本当にマッチしていて絵になる。

芳賀薫さんと柳沢翔さんの映像は、ちょっとシュバンクマイエルを思い起こさせるテイストをもった、不思議さと滑稽さと残酷さが混じったような世界。
ダンスとダンスの間を繋ぐだけでなく、11人の男の住む場所の世界観を創るのにすごく強烈な役割があったように思った。

途中サッカーボールがちょっと悲しそうにしゃべったり、発泡スチロール(?)みたいな素材で作られた道具がことごとく手荒く扱われて破壊されていったり(笑)、良平さんの四肢、声すべてとそれを取り巻く全てのもの(観客までをも含む)との「かかわり合い」が、くるくる変化しながら色を変えてゆくのが面白くて楽しくて。
良平さんはたった1人でステージの上で動いているのに、そして時には「孤独」な表現が折り挟まっていたのに、それなのに一瞬たりとも、何かとの「かかわり合い」が無くなる瞬間がなかった。
すごい。

ハナレグミの音楽もやさしくて、特にラストで歌われる曲が素敵。
開演時の車掌風味のアナウンスや、途中で使われてた声の部分も面白い。
今まであまり聴いたことがなかったアーティストなのだけど、ホント、音楽やる人も様々なキャラ、味がありますねえ。

踊っている近藤良平さん。
歌っている宮本浩次さん。
コントを演じている小林賢太郎さん・・・
は、いちばんかっこよくて、いちばん素敵で、いちばん魅力的だ。
「○○をやっている△△さん」は、みんな世界一かっこよくて素敵なのだ。

無から何かを創り出す人は本当にすごい。
いつも、そして何度も書くけど。
私は「音楽家」という芸術家ではあるかもしれないけど、「ゼロから何かを生み出す」ことが出来ない人間なので、それが出来る人を本当に、地面に頭がめり込むくらい尊敬している。
そして、正直羨ましくて仕方がない。
自分には絶対に出来ないことがわかっているから、もどかしいことこの上ない。
「生み出す」才能がない私は、そういう人の現場を目の当たりにすると吐き気がするくらい感動する一方で、自分にそれが出来ないことを自覚して非常に凹むのだ。
自分には自分の役割があることは十分わかっているのだけど、ね。

でも今日は、凹むだけじゃなくて「やっぱり自分もやろう」という気持ちになれた。
「やりたい」と思った、思いっきり。
それも、静かにそう思えたんだ。
時間はどんどん過ぎていっちゃうものね。
こんな依怙地な人間を、そんな優しくて前向きな気持ちにさせるステージって、やっぱりすごいな(笑)。
[PR]
Commented by 近藤良平 at 2011-10-24 12:32 x
いや〜きてくれてありがとう
ソロは大変よ。でもやりがいがある。
また次に向かって走ろう思います  ども
Commented by saskia1217 at 2011-10-24 21:58
良平さんですか??
うわ、吃驚です。
読んでくださってありがとうございます(恥)。
止まることない90分という時間をずっとひとりで支え続けるには、大変なエネルギーと瞬発力が要りそうです・・・。

私も走り続けなくては・・。
与えられた時間と身体を使い尽くしたいです。

さまざまな姿かたちでの良平さんの次の作品と舞台、また観せていただけるのを楽しみにしています!
by saskia1217 | 2011-10-22 02:43 | コンドルズ | Comments(2)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!


by saskia1217