「名曲」の威力

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10月中旬の日差しとは思えない暑さだった昨日の日曜日。
早起きして、小山経由で玉戸というところまで水戸線(単線!)で出かける。
午後からのコンサートは結婚式場のチャペル、朝10時過ぎからリハ。
いつもよんでいただく筑西市(下館周辺)の鑑賞団体の皆様、オルガンを聴く機会があまり無いとのことで、ソプラノの高橋節子さんと、こんな「名曲」揃えでプログラミング。
オルガンソロを交えながら、あとは歌とオルガンでおおくりしました。

バッハ 汝苦しみの極みにあるとき(オルガン)
バッハ 我満ち足れり~眠れ、疲れた眼よ
ブラームス 装いせよ、わが魂よ(オルガン)
シューベルト アヴェ・マリア
ヘンデル ラルゴ(オンブラ・マイ・フ)
ヘンデル メサイアより「私は知っている、贖い主は生きておられると」
            「シオンの娘よ、おおいに踊れ」
(休憩)
バッハ 平均律クラヴィア曲集第1巻第1番 プレリュードとフーガ(オルガン)
ハイドン 『天地創造』より「また神は言われた、地に青草と」~「いまや野に新緑が」
クレープス いと高き善きものに賛美と栄光あれ オルガン)
モーツァルト モテット「踊れ、喜べ、幸いなる魂よ」

アンコール アメイジング・グレイス

リハをしていると、なんと信じられないハプニング。
この日はパイプオルガンではなく、チャペル備え付けのチャーチモデルの電子オルガンを使ったのだが、このオルガン、なんと弾いている最中に突然「ふにょ〜〜」と音が揺れてピッチが半音下がってしまう。
電圧なのか、楽器についているピッチ変更ボタンの故障なのか、原因はわからず。電気、電子の楽器というのはこういう時もうお手上げなのだ。
パイプオルガンやチェンバロのようなアナログの楽器だと、演奏者も大体勝手がわかっているのでちょっとしたことなら直せるし、直せなくてもダメになっている箇所だけ避けて使うということも可能。でも、電気のものは回線や部品の問題なので、どこかがダメだと全てがダメになって使えなくなってしまう。
これって楽器に限らず、日常生活にあるいろんな道具も同じだけれど。

どうしようもないので、下がってしまったらピッチ変更ボタンで半音上げて弾き、なんとか対処。ただ、この場合も何かの拍子で「元に戻る」ので、今度は高くなってしまって困るはめに(笑)。
しかもこの現象が予期せず起こるのでかなりこわい。
私一人のソロならともかく、半音の変化でも発声のポジションが変わってしまう声楽家にとって、これは笑い事ではないゆゆしき問題。
幸い高橋さんは、普段からいわゆるモダンピッチ(440)とバロックピッチ(415)どちらにも慣れている歌手なので、途中でふにょ〜っと変えるのは難しいとしても、なんとか対処できる。
彼女でよかった・・・

本番、1曲目のオルガンソロの最初の音を弾いたとたん、半音上がっていた(汗)。
まあ、北ドイツあたりのオルガンを弾いてるつもりになれば、と思って弾き続けた(笑)。(あのあたりのオリジナル楽器は短3度くらい高いことが多い)
昔の自分なら、絶対音感なんていう無用の長物に邪魔されて一音も弾く事が出来なかっただろう。
脱・絶対音感に今さらながら感謝。
途中、「アヴェマリア」の2番でピッチが低下し、その後ずっと低いピッチで演奏を続行。
それでも何とかプログラムを終了。

それでも、集まってくださったお客様にはあまり気づかれずに済み、とても楽しんで下さったとのこと、それがとにかく何より。
ホッと胸をなで下ろし。

アンコールの後、お客様と一緒に賛美歌を2曲「聖しこの夜」と「牧人ひつじを」を響かせて、気持ちよかった。
本物の教会でなくても、ああいう空間だと何故かオルガンや賛美歌が一層心にグッとくる。
名曲たちが名曲然と響くのも、やはりそういう空気の力もある。
あながち「ミーハー」では片付けられない。
そして、そういう「なにか」が実はこよなく好きで、そして自分を構成している要素のなかでかなりの上位を占めていると日々実感する私にとって、こういうコンサートはとても嬉しいし楽しいのだ。
名曲、ポピュラー、耳馴染み、CMでよく聞く・・
そんなキーワードにハッとしたら、ぜひこちらまでコンサートのご注文をどうぞ!(笑)

コンサートを終えお食事をいただいてから外へ出たら、すっかり日が暮れてあたりは真っ暗。
虫の音がすごい。
そんな、正しい秋の夕方。
駅名が手書きで書かれた木のプレートが掲げられた駅舎の、細長いただ1本だけのホームで虫の音に包まれて電車を待つ。
再び水戸線で小山乗り換え。
赤羽にさしかかった湘南新宿ラインの窓から、地平線ギリギリの大きく赤い月が追いかけてくるのを見ながら、ちょっと涙が出そうになった。
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by saskia1217 | 2011-10-17 19:14 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!


by saskia1217