やっぱり本(屋)が好き

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降ったりやんだりの気まぐれ空の昨日、昼過ぎから急にふらっと神保町へ。
仕事以外でこの街に来たのは久しぶりだ。
ごく狭くて小さいエリアなのに、見だすとキリが無くて一日中居られてしまう魔法の街。

古典籍専門の有名な3軒を回ったら、あっという間に4時間ほど経ってしまい、最後の店を出たときにはもうすっかり夜になってしまっていた。
教科書でしか目にしたことのないような古典作品の名が天井までギッシリ詰まった書棚と、さすがに手に取るのははばかられる褐色の書物たち。
あまりにも面白そうでどうしても見たい本は、お店の人に言って取ってもらい、柔らかい布の上に拡げていただいておそるおそる拝見する。
何が書いてあるのかおぼろげな想像をするだけで到底全て正確に読めそうも無い、各時代の美しい日本語の文字と、何百年もの時を越えた極彩色の絵。
当時の人の四季折々の暮らしや好み、日々の楽しみなどがそのまま伝わってくる日常風俗の書物、医学、歴史、犯罪、服飾、航海などの専門書。
ジュール・ヴェルヌの「地底旅行」の明治時代の翻訳とか、昔のお相撲の番付表とか。
お化けや妖怪の挿絵入り本や、大昔の震災を絵入りで記した記録本。
各時代の古地図、古い双六、明治時代の肖像付き議員名簿・・・。
そして、超高額から1枚300円のリプリントまでが揃う浮世絵の数々。

お店ごとまるまる、そこにある全ての資料をひとつひとつ手に取ってみられたら、ほんとにどんなに楽しいだろう!
そして何よりも貴重だったのが、昔の書物や浮世絵にはまったくのずぶの素人である私みたいなのが根掘り葉掘り色々と質問しても、どの店主も店員さんも非常に分かり易く丁寧に、そしてとても楽しそうに(!)あれこれ説明してくださったこと。
最後に訪れたお店では、数枚のリプリントを買うのになんと1時間も話し込んでしまった。
絵のことだけでなく、街の話、世間話まで(笑)。
店頭に飾られた本物を見ながら、そこに描かれているものについて、また当時の娯楽について説明して頂いたり、すっかり話に花が咲いてしまって。
奥様への誕生日プレゼントに10万円の予算で、と言って浮世絵を買いにいらした男性のエピソードとか・・。
いいよなぁ、指輪なんか貰うよりずっとずっと嬉しいもん(笑)。
閉店時間を過ぎていたんじゃないかと気になっていたのだが、まったく追い出される空気もなくそのまま説明を続けてくださったお店の方達。
タイミングに恵まれた、人そして本とのいくつかの出会い、本当にいい時間を過ごしました。
感謝。

結局、一番好きな作品のいくつかのリプリントを3枚だけ購入。
それでも一応和紙に刷ったものなので、普通紙のものよりははるかに美しい。
でもね、額縁に入って展示されている本物(といっても刷りによって色々なんだけど)を一度見てしまうと、美しさというか、力というか、絵からこっちに向かってくるベクトルの強さが全く違うんですね〜。
素人の私にもわかるんだから、本物ってスゴイ・・
手頃な値段のなかで喉から手が出るほど欲しいものもあったけど、いやいや、それを始めたらきっとキリがない(笑)。
ちなみに私の一番好きな作品、本物(若干の虫食いあり)があったのだが、きっかり100万円しておりました(苦笑)。
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文字通り、隣りどおし「寄り添って」たっている古書店の数々。
道の反対側からよ〜く見ると、ちょっとだけ傾いてる。

高校生の頃よく通っていた懐かしいクラシック中心の音楽書古書専門店もまだ健在だったが、立ち寄る時間はなく。
また普通の古書店や、宗教書専門店、ロック専門の古書店、中古レコード屋さん、そして名物の老舗喫茶店やカレー屋もまたの機会に。

帰って早速、夏の景色の広重を選んで額に入れて壁にかけた。
洋室にも不思議とポップで綺麗だ。
おもしろさギッシリの宝箱の街。
また来よう。
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by saskia1217 | 2011-08-05 17:35 | 感じろ、考えろ、思え!