A線上のアリア☆チェンバロ奏者 廣澤麻美 公式ブログ  Asami Hirosawas Blog


今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!
by saskia1217
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森とか木とか音楽とか

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「森や木の保護のために」というコンセプトのもと、製紙関係の企業がいくつか集まって主催された今日のイベントコンサート。ライバル関係にもある同業者が共同で企画というのは時々あるけど、なんかいいですよね、そういうの。
そして「読売」日本交響楽団が浜離宮「朝日」ホールで演奏する、という、これも考えてみれば面白い話。読売と朝日のタッグ、そしてもしこのコンサートの記事が毎日新聞に載ったら完璧なんだけど(笑)。

プログラムはヴィヴァルディ「四季」から春と冬、そしてベートーヴェンの交響曲第6番「田園」。
夏なのになぜ春と秋がプログラミングされたのかは謎だが、春はみんながよく知っている曲だし、冬は2楽章が美しくて有名だし曲集の最後だし・・・ということだったのかな?
ということで、例によって私の労働時間は非常に短いものだった(苦笑)。

ヴァイオリンを担当した宮本さんはトークで、小さい頃住んでらしたドイツの森の印象を尋ねられて「両親に連れられて時々行きました」と答えてたけど、ドイツではおそらく子供よりも大人のほうが、「森」に対しての親しみや愛情、そして恐怖や畏怖の念などが強いのではないかな?
私がドイツで最初に住んだフライブルクは「黒い森」という有名な森林地帯にある。すっかり観光地にはなっていて気軽にその「外間口」に足を踏み入れられる美しい森だが、冬になると一転吹雪が吹き荒れる険しい姿も見せていた。
ドイツ人と森の関係については、文学や音楽にみられるようにそれはそれは昔から密接で多くが語られてきたから、こんなところで短く論じるような簡単なテーマじゃあないけど、ともかくドイツ人は森が好きだし、森に深い親しみと郷愁と恐怖を持っている。今でもね。

今日後半に演奏されたベートーヴェンの「田園」は、その「森」を含む空、空気、光、風、嵐・・・そしていちばん最後に人間が描かれる。視覚と聴覚全てが動員された、変わりゆく情景が目の前に繰り広げられる有名なシンフォニー。
最初おだやかで美しかった景色が雷鳴、豪雨、強風という自然の力にとってかわるという描写が曲の約4/5を占め、最後の最後でようやくちっぽけな人間の存在が出てくる。恐怖におびえた後で、再び戻った太陽に感謝するその小さき存在。
大きな大きな風景の片隅にポツンとたたずむ小さな人間の姿。多くはバルビゾン派とか、あるいは印象派やシュールレアリスムにも時々でてくる、あの感じ。

考えてみたら、生まれて初めて意識して聴いた音楽は、実家でいつも両親がかけていたこのLPだったかもしれない。だから、この曲はいつ聴いても不思議な懐かしさと安心感と、子供のときにこの曲に思った感情や感動が蘇ってくる。
高校生になってから聴いた、やはり自然の描写が素晴らしい(こちらでも天候の悪化による自然の驚異と、それに対するちっぽけな人間が描かれる)R・シュトラウスの「アルプス交響曲」とちょっと情景的にかぶるのも面白い。

猛暑の太陽ギラギラの下、昔から人間が戦い、一緒に生きてきた「わたしたちをとりまくもの」について思いを馳せた。
森や木も、水も風も太陽も空気も、そして原子の力も。
「共存」なんてことすらおこがましい。もしかしたら同等なんかじゃないかもしれない。
一番最後にやっとこさやってきた人間は、たぶんどんなものよりも、だれよりも一番後からついてゆくべきものなのかもしれない。
自然の中でたぶん一番無力なのは人間だから。
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by saskia1217 | 2011-07-13 01:46 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)
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