中山道

見慣れた風景のなか無意識でどんどん歩いていける道を散歩するのも楽しいけれど、まだ歩いたことのない道を地図を見ながら延々と歩くのもいい。
こないだ散歩に出た帰り、今更かというくらいメジャーな道を辿った。
行ってみたら、魅力的なものにあれこれ出会ってすっかり気に入ってしまった。

旧中山道。

巣鴨地蔵通りはいつも歩いているけれど、庚申塚より先に行ったことがあまりなかったんですね。
な〜んだ、その先が面白かったんじゃん(笑)。
都電に乗っていても下車する機会がぜんぜん無かったから全然知らなかったよ。

JR板橋駅前から滝野川を抜け、明治通りを渡ってひたすらまっすぐ。
通りは「旧中山道」「庚申塚通り」から「巣鴨地蔵通り商店街」と名前が変わる。
ちょうど夕方だったこともあって、掘割の交差点から巣鴨方向に向かって商店街は賑やか。両側にお惣菜やさんや八百屋さん、魚屋さんなどが並び、お勤め帰りの人や買い物のお客さんも多く活気に満ちている。
この道が平坦であることが女性や子どもを含む旅人にも優しいという話はよく聞いていたが、その点でやはり現代のお年寄りに人気があるのも頷けるというタモリさん説に非常に納得。
数軒おきに、2階の窓に格子を持ち、玄関も格子の引き戸になっている濃い飴色になった家屋がいくつもある。
もうひとつ、歩いていて驚いたのは道幅が広いこと。まるで拡張工事のために両側のお店が立ち退いたような広さだ。おかげで視線の先がまっすぐ広い空につながるのが心地よい。
あれは江戸時代からの幅なんだろうか?
調べてもよくわからなかったのだが、もしそうならば面白いなと思った。
文字通り街道沿いの宿場町のような、そんな錯覚におそわれる。

この通りに限らないが、住宅地などを歩いていても道の左右にふと、石でできた古い道標や道祖神なんかを見つけることがある。
この日もそんな石の標を見つけて何だろうと路地を入るとこんなものが。
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「延命地蔵」。
中山道で行き倒れた旅人や馬を弔うためのものらしい。
もともとは近くの別の場所にあったものが少しずつ移動して今の場所になったらしいが。
そこから出た骨は池袋近くのお寺に納められたとか。
戦災でダメージを受け、お顔はわかりにくくなっているけれど、なんだかしんみりする場所。
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都電の庚申塚駅を過ぎてすぐの角には、猿田彦大神。
「武州豊嶋郡巣鴨庚申塚」として江戸時代から有名な道祖神だけど、明治の初期にこの近くの人たちが銚子の猿田神社から分祀したことからこの名前がついたそうだ。
ということで、もともとお猿さんにはあんまり関係がない。
関係ない、といえばお稲荷さんとキツネももともと関係ないものだったし(今ではキツネはお使いということになってるけど)、誤解がはじまりで結びついたものって意外といっぱいあるなあ。
イースターとウサギだってそうだよね。
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そんなわけで入り口左右には狛猿(?)が一対。
お百度の柱もある。
中には年配の女性がひとり、手水舎から柄杓で水を汲みそのあたりを綺麗にしていた。
塀際には解説の看板がいっぱいあってそれを読んでいると、そのおばさんに声をかけられる。
その方はいつもここにお参りにきて、そのたびに簡単にお掃除をしているそう。
「この間ね、商店街の抽選でなんと、ディズニーランドが、それも2回も当たったのよ!」
それはきっとこの神様のおかげなのではないかと思っているそうで、「あなたにもきっといいことがあるわよ!」と、力強く宣言されてしまいました(笑)。

な〜んか。
本当に嬉しそうに話してくれたおばさん。
いつもいつも何かといえば、分不相応な願い事とか、天地がひっくり返るような夢物語ばっかり頭に浮かんでしまう自分がちょっと恥ずかしくなった。
幸せって、幸せって・・・そうだよね、う〜ん。

気づけばこの日、お昼過ぎに家を出てから6時間、飲まず食わずで歩き続けてた。
でも、いろんなものや人に出会えて楽しかったせいか、空腹を感じなかったんですよね。
その後、巣鴨の珈琲館で休憩。
熱いコーヒーが五臓六腑に沁みた夕刻。

散歩はいい。
ほんとにいい。

あと、都電に乗って車内最後尾に立ち、好きな音楽を聴きながら、後ろに流れてゆく線路と空を眺めるのもいい。
心が涙を流す。
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by saskia1217 | 2011-02-12 19:36 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!
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