美意識

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NHKに行くとき、まず渋谷から歩くことはない。
渋谷の街を歩くのがなんとなく嫌なのだ。
おまけに今日は12月24日。
午前中とはいえ、人の波にもまれるのはうんざりだから。
快晴のすっきりした日の光に、久しぶりに見た鳥居は美しかった。
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今日のお仕事はオケなかのチェレスタとチェンバロ。
弾いたのは池辺晋一郎さんの「独眼竜政宗」と芥川也寸志さんの「赤穂浪士」。

チェレスタはご存知のとおり、打楽器奏者が弾くこともあるオケなかの代表的な鍵盤打楽器。
見た目はオルガンだが中身は鉄琴。
打鍵がものすごく重い。久しぶりだったので早めにいって指慣らししたが、日頃豊洲のパイプオルガンで超重量の打鍵に慣れていたせいか(?)比較的すぐ馴染んで一安心。

降り番の1曲を挟んで「赤穂浪士」。
以前も書いたけど、私はこの曲にチェンバロが使われていることを全く知らなかった。
今日の指揮者は下野竜也さんで、数年前の読響のシュニトケ以来お会いしたのだったが、収録後にそんなお話をしていたら「この曲、チェンバロが入っていることで有名なんですよ」とおっしゃっていた。
そうだったのか〜。

弾きながら、つい先日散策に訪れた泉岳寺やその近辺の風景が思い出されて、なんだかじ〜んとしていた。
忠臣蔵の話は今でこそ「後日美談にされすぎた」とか「生き残りがいた」とか「真実ははっきりしない」など色々な話が渦巻いている。
それでも忠臣蔵の話を知らない日本人は殆どいないと思うし、海外でさえかなり昔からこの話は有名になっていた。
毎年毎年暮れになると、何らかのお芝居や映画、ドラマが必ず上演、放映される。
どんな時代になってもやっぱり、日本人はこの話が好きなのだ。
その「好き」の根っこには「忠誠」に「美しさ」を感じる日本人のフシギがある。
それはきっと、いつまでも日本人にしかわからない心のフシギ。

たった1分30秒あまりの音楽に、その全ての感情を盛り込んだ芥川さんはスゴイ。
ムチの音が特徴的なその曲には、チェンバロのほかハープやギターも細やかに使われている。
その何ともいえない世界に、自分の中にも「絶対的日本人」があることを再認識した一日。
「NHK大河ドラマ・テーマ音楽集」はNHK・BS-hiで、来年1月2日に放映らしい。
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by saskia1217 | 2010-12-24 22:25 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(0)