チューニング

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ロッキング・オンのサイトにはいろんな編集者さんたちのブログがあっていつも面白く読んでいるのだが、中でも兵庫慎司さんの「ロック走馬灯」は興味深い話題が多くてけっこう愛読している。
ここ数日は「チューニング」をテーマにおもしろいことがいろいろ書いてあって、普段自分が身の回りで無意識に経験している様々なチューニングのことをあらためて考えてみたりした。

兵庫さんの記事で面白かったのは・・・。
ステージに登場してSEの後、いよいよオープニング!というときにチュー二ングかよ、という話とか(笑)。
いやこれは古楽器の場合、ほんとに身につまされる。
1曲目くらいは、いきなりド〜ンと音出したいよね。
(チェンバロはやっちゃうけどね)

ヴァン・ヘイレンは必ず弦を鍋で煮てからギターに張るってお話。
すげ〜。
煮ると強くなるのか。
チェンバロの弦も、煮たら切れにくくなるのか?
(良い子は真似しないでね)

ジェフ・ベックやゲイリー・ムーアがライブ中にギターのチューニングをしないのは、「チューニングが狂わない弾き方」をしているのではなく「チューニングが狂っても平気な弾き方」をしている、という話。
つまり弦を押さえる指は、チューニングの狂いを自動的に察知して無意識(か、意識的かしらないけど)に微調整しながら弾いている、ということ。
これってでも、ガンビストが日常やっていることですよね?
フレットがある楽器なのに(「だから」なのか)その微調整は何よ?と思いながら、いやもちろん「すご〜い」と思っていつも見ていたのだが。

微調整といえば、リコーダー奏者が指穴の上に指をどのくらい「翳す」か(どのくらい「押さえるか」ではない)という技術を知ったときにも、愚鈍な鍵盤奏者である私はため息をついたものだった。
でも思えば、古今を問わず金管楽器奏者の唇はいつもその役割を果たしているのだし、木管楽器奏者だって、フルーティストの唇を開く面積やダブルリード楽器奏者の唇の締め具合なんか、もうほとんど神の領域である。

そうやって思いを巡らしていると、音の出る場所と自分の身体が一番離れている鍵盤楽器って、なんだか良くも悪くも呑気な楽器だな〜なんて思う。
そして例えば滅多に自分では調律する機会のないピアニストは、どうしたって自分の出す音に持つ責任感が軽くなりがちなのは否定できないはず。

正直なところ、私は調律が嫌いだ。
そんなことを言えばもうほんとうに、チェンバリスト失格と言われて当然なのだが、でも嫌いなものは嫌いなのだ。
だからいつも「仕方なく」調律している。調律していること自体に喜びを感じるってことはまずない。とにかく早く練習したい、弾きたい、とは思うのだけど。
でも、いいんだね、きっとそれが。
そうやって音を「作る」っていう作業からしなくちゃならないっていうその宿命が、「音」に対しての愛情を育てているのかもしれない。

な〜んてね。

(写真は現在練習中のコード。人差し指の第2〜3関節部分のみ弦に触れないよう浮かさねばならぬ。それが腹立たしくも出来ない、この不器用きわまりない手!)
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Commented at 2010-04-28 16:14 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by mjfh0916 at 2010-04-28 16:17 x
うっかり非公開にマークしてしまいました。そそっかしい私、ごめんなさい。
Commented by ろう at 2010-04-28 22:04 x
バイオリンでもギターでも、無意識のうちに音程を調整してると思いますよ。僕も久しぶりにギター弾いてみました。
Commented by saskia1217 at 2010-04-28 23:18
mjfh0916さま
ちゃんと全部を拝読しました。ありがとうございます。
私も演奏会前の調律の音ってとても好きなのですが、自分以外の人がステージでチェンバロを調律していると、コンクールや録音などの緊迫した本番直前の感覚が自動的に蘇って独特な緊迫感に襲われますね(苦笑)。その緊張感がモチベーションを高めてかえって気持ちよかったりするのですが。
ハープも弦が多く大変ですが、数としてはチェンバロのほうが多いのでは?また狂いやすいリュートも大変で「リュート奏者の一生の1/3は調律している時間」と言われるほどです。
Commented by saskia1217 at 2010-04-28 23:20
ろう様
そうですよね。そう思いました。
フレットがない弦楽器はそれが当たり前ですし。
なので、ガンバがフレットをどのように利用しているのかを見ていると、なかなか興味深いものがありますね。
by saskia1217 | 2010-04-28 02:03 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(5)

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