思い出の鳥

ナイチンゲール。
よなきうぐいす(夜鳴き鶯)。
よるうぐいす(夜鶯)。
さよなきどり(早夜啼鳥)。
そして・・・Nachtigal。

高校時代に初めて弾いたドイツリートの歌詞に、わんさか出てきたこの鳥の名前。
ハイネとかリュッケルトとかゲーテとか・・・。
うぐいすは知ってるけど、夜って何よ?
夜鳴く鳥なんてきいたこともないし。

そう思って10年あまり経ってから、私はドイツでこの鳥の声を聞いた。
当時住んでいた、街から少し離れたマイン川沿いの家で、まさに真夜中、その声は響いてきた。
あたりは広い広い畑や森で、その間を縫って自然にできた散歩道があって、散歩の途中ではよくたくさんの羊を連れて川辺を歩く羊飼いに会ったなあ。
(本当に「ああいう」帽子をかぶっていて「ああいう」マントを着ていて「ああいう」杖を持っていて驚いたけど!)
歩くうち急に開けたところに出てハッと目を上げると、そこには小さな祠やレンガ色の古い市庁舎が現れている。そんなふうにのんびりと時間が過ぎる場所。

深夜の2時か3時ころ、部屋で夜更かししていると、外からなにやら鋭い音が響いてきた。
最初はとても鳥の声だとは思えず、あまりにも不思議なので思わず窓を開けて半信半疑で耳をすましていたら、その声は川辺のほうからしてきていた。
川のあたりには淡い緑色の葉を持つ背の低い茂みがずうっと続いていて、たぶんその中にその鳥がいたのだろう。

とにかく、ゾッとした。
きれいで、信じられないくらい透き通っていて、まさに詩に詠われていた賞賛もうなづけると思ったのだが、なにしろ真っ暗な夜中に姿も見えない状態で鳥が鳴いていることそのものもちょっと恐ろしかったし、あまりに美しすぎて気味が悪いといったほうが近かった。
いったいどんな声なのだろうと長年思い描いていた期待どおりの美しさと、あまりにも意外な不気味さが入り混じって、その夜はもう眠れなくなってしまったのだったけど(笑)。

17日に彩の国で演奏するビーバーのソナタには、このナイチンゲールの鳴き声も登場します!
ビーバーの耳には、どんなふうに聞こえていたのかな?

You Tubeでいろいろと聞いてみたけど、私が聞いたような感じのものは見つけられなかったので、一番近いものをアップしました。
これが真っ暗な闇のなかから聞こえてくるシチュエーションを想像してみてください。

オマケに、真夏の真っ昼間、街のあちこちでほれぼれするような声をきかせてくれたAmsel(和名:クロウタドリ、英国ではblackbird)の声を。
学校で一日中練習する毎日、疲れて窓をあけるといつもこの鳥が鳴いていました。
いつも元気でがんばれたのはこの鳥のおかげかもしれない・・・。
春から夏にかけて、ほんとうに青空に映える声でした。
どちらの鳥も、その声が日本では聞けないのが本当に残念。

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Commented by ろう at 2010-04-10 00:53 x
2月に録音した僕です。
せっかく先生とさときさんががさいたまに来てくださるのにその日なぜか僕は新潟…残念すぎます。
Commented by saskia1217 at 2010-04-10 11:54 x
ろう様
コメントありがとう。
うわあ、残念ですね。新潟ですか。お忙しいですね。
この日はけっこう楽しいプログラムだったのですが・・・。
またの機会にはぜひ!
by saskia1217 | 2010-04-09 16:43 | 感じろ、考えろ、思え! | Comments(2)

今日もまた日が昇る・・出かけてゆこう!
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