懐かしい音

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何週間か前、ドイツからあるCDがポストに届いた。
留学時代の師匠からの新譜だ。
新しいCDを出すたび彼はそれを送ってくれるので、感想をあれこれ書いてメールするのだが、
毎回どんな言葉をもってしても「ああ、本当にいい演奏だ」という気持ちを適切に言い表すことができない。

16世紀から17世紀にかけて生きたオランダの音楽家スヴェーリンクは、当時特に北ヨーロッパの多くの同業者たちから大きな尊敬を受けていた素晴しいアーティスト。
特に鍵盤楽器の曲にかけては見事としかいいようのない天才だ。
このCDは、その多くの名作のなかから、これまたとびきりの「美味しいとこ取り」の選曲。
「半音階的ファンタジア」「わが青春は終わりぬ」「運命」などの有名どころに混じって、渋いながらもハンパない構築力と充実度をもった大作も収録。
例えばアルバム最後の「第1旋法による4声のファンタジア(M.シルト?)」はまさに圧巻。
その直前に置かれたルターによる有名な待降節のコラール「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」のモティーフが、この曲のラストで最低音部に出てくる下りは、圧倒的な説得力と存在感に打ちのめされる。

師匠Glen Wilsonの演奏の一番スゴいところ。
それは「音の存在感と説得力」。
スヴェーリンクの曲はもちろん、そのほとんどがオルガンでもチェンバロでも弾ける。
このアルバムはすべてチェンバロで演奏されているのだが、その響きはまさにオルガンのようでもあり、いや時にオルガンをも越えている。
そういうふうに響かせろ、と何千回も言われたっけ・・・。

オススメの一枚。
ひじょ〜にお求めやすい価格(笑)。
是非!

Jan Pieterszoon Sweelinck: Music For Harpsichord

Sweelinck / Naxos

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by saskia1217 | 2009-06-01 00:04 | お薦めレビュー♡ | Comments(0)